2017年11月12日日曜日

プレゼンはすべてを変えるかも(2)

プレゼンテーションで相手を知ることの次に大事なのは、自分が持っている武器を十二分に理解して活用することです。ここでいう武器は、本当の武器ではなくて(笑)、事実関係や関連するデータ、自分に有利なルール、そしてルールに事実などを当てはめたときの予想される結果などです。実は、この武器を理解すること→武器を活用するところは、法学部でも、それ以外の学部でも大学院でも、どこに行ってもなかなか教えて貰えないところだと思います(というか、実務的すぎて教えられない、というのが本音)。

塩野誠「プロ脳のつくり方」(ダイヤモンド社・2007年) という本が、一番わかりやすいと思います。一度読んでみてください。面白いですから。

なぜ、「自分が持っている武器を十二分に理解して活用すること」が難しいかと言えば、皆さんの経験の中にないお話だからです。

自分に有利な事実関係やデータがないならどうします?僕なら、まずは改めて必死に探しますね(笑)。だって、それらの事実関係やデータは、自分が望む結果とは関係なく集められたものに過ぎません。改めて目的に照らして探し直してみます。

次に、そうやって探した事実関係やデータが少ない、特に有利になるものが少ないとして、どうしましょう?ねつ造はできません(笑)。他方、自社に不利な内容の事実やデータからだけでレポートを書いてもまったく評価されるはずもない。そういうときは、事実関係やデータが少ない理由を問い直してみます。自社にも悪い点があったのだとは思いますが、それ以外に何か理由はないのか、法令上の義務や、他社の取り扱いや対応などとも比較しながら考えていきます。

そこまでが下準備です。こうして集められた事実関係、データ、事実関係やデータが示す事実の背景事情を理解してから、適用されるルールに当てはめていきます。望ましい結果にならないなら、ルール自体を批判しても良い。

法学部にいても、そんなことぜんぜん考えませんよね?アメリカの弁護士ドラマを観てみたら、毎回、そんなことの連続ですよ(笑)。

事実やデータの取り扱いは大事です。プレゼンテーションの基本中の基本。
ぜひ、理解してください。

プレゼンはすべてを変えるかも(1)

ゼミでプレゼンテーションの練習をしていると、ただ「なあなあ」にこなしているヒトが多いですけど、非常に勿体ないです。プレゼンテーションは、せっかく考えたり議論した内容を相手に伝える技術なので、もしそれを使いこなせなければ、いくら素晴らしい中身の考えや議論でも無駄になります。

プレゼンテーションに極意なんてないのですが、基本はあります。たとえば、Netflixで放映されている「グッドワイフ」という弁護士のドラマがありますけど、当該ドラマに出てくる弁論技術は、プレゼンテーションとしても素晴らしいです。基本に忠実です。一度、ご覧ください。

プレゼンテーションで大事なことの第1は、相手を知ること。どんな場所で、どんな相手に何を伝えたいのか。伝えたいことをそのまま伝えても、相手はそのまま理解してくれないかもしれないでしょう。伝えたいコアなメッセージを、場面や相手に応じて少し変えていく必要があります。もちろん、臨機応援にです。準備はしていても、その場その場の反応に応じて瞬時に変えていくことが大事です。

ゼミでは、シミュレーションやロールプレイを行い、ゼミ生を相手にではなく、さまざまなクライアントを相手にプレゼンテーションを考えて貰うようにしています。どんな場面におかれているどんなクライアントなのかをより具体的に想定し、そこからプレゼンテーションの内容や順序を組み立てていきます。

事前に相手をよく知ることは、交渉術でも基本中の基本。プレゼンテーションでも、その点は同じです。交渉など必要ないくらい、相手に納得して貰うのがいわばプレゼンテーションですしね(笑)。


2017年11月4日土曜日

苦労しないと得られないものは必ずある

今日は、学園祭ですね。ゼミ生の案内で、ある催しを見学しました。とても素晴らしかったです。毎日かはわからないですけど、日々の厳しい練習を重ねて、本番を迎えているんだろうな、と思いました。久しぶりに感動しました。

ゼミでは無駄をすべて排除して、美味しいところだけを1時間半に凝縮しています。それ以外のサブゼミはないですし、予習復習も基本的に求めていません。それは、「楽」かもしれないですし、「お得感満載」かもしれないですね。

ただし、美味しいところだけをつまみ食いしていても、本当に美味しいものにはありつけないです。というか、美味しいことにも気付かないかもしれません。いろいろなチャレンジをして、失敗もして、試行錯誤の先にしか見えない美味しさが必ずあります。たとえば、登山をしないで、チャーター機やヘリで山の上から日の出を見てもいい。美しい景色を見ることができます。でも、それは登山をして見ることのできる景色とはぜんぜん違うものです。苦しんだり、怪我をしたり、そんな試行錯誤の先に見える景色は、おそらくもっと美しいのではないでしょうか。

ゼミ生の皆さんには、ゼミではできない苦労や試行錯誤をどこかで経験して貰いたいです。僕のゼミは、無駄をそぎ落としてしまった結果、重要なプロセスをすっ飛ばしています。それは楽かもしれないし、お得かもしれないですけど、実はお金では買えない価値というか、貴重なプロセスを捨てているんだということに、ぜひ気付いて欲しいと思います。

今日、案内をくれたゼミ生には感謝します。
日々の生活で忘れている価値を思い出させて貰いました。
催しに参加していた学生は皆、とっても輝いていました。僕にはない輝きだと思います。





2017年10月24日火曜日

2018年度のゼミ生の選考結果について(ご報告)

この報告がアップロードされるころには、おそらく、合否の結果が応募された学生に届いていることと思います。合格された方、本当におめでとうございます。残念ながら合格できなかった方については、一緒にゼミで勉強できず、正直とても残念です。

今回は優秀そうな方々が多く、ポテンシャルが高そうな方々ばかりで、悩みました。ただ、ゼミで勉強できないことは、今後まったく関係を絶つというのとは違います。前に話したとおり、今回、僕のゼミに応募してくれた学生とも、何らかの形でご一緒できたらと本気で考えている次第です。ゼミ以外のスキームでご一緒する方法はそんなに多くはないのですが、ゼミの拡大飲み会だったり、就活関連についてセミナー形式の何らかのクローズドイベントを企画してそれにお招きする、そのような措置を考えておりますので、どうかお許しください。

今回の選考では、30名の応募中にプレゼミ生が12名含まれていました。12名の男女比の内訳は、男性が4、女性が8名です。もちろん、プレゼミ生が面接で必ず合格できる保証はないのですが、プレゼミでプレゼンテーションの技法を訓練している関係上、どうしてもプレゼミ生が有利になってしまう面はあろうかと思います。

選考におけるプレゼミ生の取り扱いについては、今後、僕の方でも真剣に検討してみたいです。プレゼミは、成績だけで判断されてしまうので、もともと入りたくても入れない学生もいると思うからです。ゼミの選考がプレゼミ生だと優遇される、そういうわけではないのですが、結果から見ればそのように評価されてしまう現状について、再検討していく所存です。

今回、採用に当たって凄く悩んだのは、僕の講義を1つも取っていない方の取り扱いです。ゼミと講義はぜんぜん別物、というのが一般的なのですが、このブログにも書いているとおり、僕の講義はゼミっぽいテイストを持っています。オープンゼミだけでこのゼミを選びましたという言葉は魅惑的ですが、他方で、僕のゼミにフィットするのかという点で正直悩みに悩みました。

サークルの先輩やゼミ関係者にコンタクトをとった方については、よく頑張ったなと思います。先輩やゼミ関係者から僕に事前に話があった方と、そうでない方がいましたけど、誰かが真剣に推薦してくれるかどうかは、やはり、選考にとって重要だと思います。誰も知り合いがいなくても、個別ガイダンスで知り合ってSNSでやりとりをしていた学生もいました。

最終結果として、若干、女性が多くなっています。プレゼミ生からの採用で女性割合が高いためで、それ以外の影響はありません。できる限り、男女比は等しくする努力をしており、その点はご理解いただければと存じます。

ゼミの選考は終わりましたけど、これは始まりに過ぎないです。ゼミでご一緒できる方も、残念ながらできない方も、僕はさまざまな講義でもお目にかかります。皆さんとの縁は、何らかの形で形にしたいので、今後ともどうか宜しくお願い申し上げます。

そして、合格された皆さん、合格できなかった方々の分まで、ぜひ頑張ってください。現3年生にも言えることですが、合格してしまうと、当然のように怠けてしまう学生もいます。学生生活は短いので、とても勿体ないですよ。貴重な時間ですから、最大限、精一杯自分を磨き上げるのに使ってください。

このたびは、多くの方に応募していただき、本当にどうもありがとうございました。
改めて心よりお礼申し上げます。



2017年10月15日日曜日

ゼミ応募後の待機期間について

2018年度からのゼミに応募していただいた学生の皆様、本当にどうもありがとうございました。募集人数よりも多くの学生に来ていただき、心から嬉しく思います。ゼミに所属する現4年生や現3年生の活躍のおかげでしょうね。そういう意味では、現ゼミ生に深く感謝しています。

じりじりしたり、いらいらしていませんか?おそらく、他のゼミよりも応募から面接までの待機期間が長いので、少し嫌な気持ちになるかもしれません。そう思ってコラムを書くことにしました。今回のスケジュールは、僕の学内での仕事の都合が影響しているので、申し訳なく思っています。本当に申し訳ございません。

面接までの時間は、実は非常に大事です。応募してしまった後ですけど、もう一度自分と向き合って本当にこのゼミに入りたいのかについて、改めて考えることができるからです。嫌になったら、別なゼミの二次募集に回ることもできますし、何より、ゼミに入らないという選択肢もあります。

本当にこのゼミに入りたい、それをどうやって証明するのか。法学部に在籍していると、証明方法などはあまり考えないかもしれませんね。不法行為法の授業や、その他の場所でもよく話すのですけど、目の前のリンゴがどのくらい甘くて美味しいかは、実はこの目の前のリンゴだけ見ていても、食べても分からないんです!糖度計を使って目の前のリンゴの糖度を調べても、糖度の指標がなければ、どのレベルだと甘くて美味しいリンゴなのかわからないでしょう?要するに、他のリンゴと比べて初めて目の前のリンゴの甘さや美味しさは理解できるに過ぎません。

ゼミも同じです。このゼミの良さや特殊性は、他と比べてようやく理解できるはず。他のゼミについてわからないなら、このゼミがよいとか特殊だとかということは分からないのではないか、と僕は思います。分からないならどうするか。簡単に言ってしまえば、調査したり、インタビューすれば良いです。

面接までの時間の中で、ミスマッチがないのか再度ぜひ確認してみてください。その確認の中で、やっぱりこのゼミに入りたいんだと思えるヒトが残ってくれたら率直に嬉しいです。

ちなみに、ゼミの応募と就活のプロセスは非常に似ています。A社がいいからA社しか見ていない、というのは聞こえはよいのですけど、逆に言えば、本気でA社がよいのか考えていないし、評価もしていないことになります。A社の中で活躍されている方々にしてみれば、目の前の学生が同じような観点で同業他社ではなくA社に居たい、A社で働きたいと考えているとしたら、そんな学生と働いてみたいと考えるのはごく自然です。そこまでに至るには、業界を絞ったり、企業を絞るまでに具体的な「生」の情報に触れて、自分で考えてみないと足りません。

僕より優秀な先生や、ゼミ飲みが楽しい先生はきっといます。ゼミ生と仲良くなれるゼミもあるのではないかと思います。僕のゼミは、既存のゼミのアプローチとはぜんぜん違うので、それに魅力を感じられないなら、きっと2年間を無駄にしてしまいます。プロセスも大事にしますが、僕は結果に繋がらないプロセスならば意味はないのでどんどん改善すべきだと考えています。そういう意味で、僕のゼミは常に変わり続けています。最後に、僕はこの世の中で、苦労したヒトが必ず成功できるとは思っていません(苦労した分だけ、そのヒトが成長するとは信じていますが)。

長くなりましたけど、学生の皆さんにとって充実した、そして意味のある待機期間になりますように。



2017年10月1日日曜日

ゼミの応募前に

今週は、ゼミ応募の1週間ですね。僕は待つだけで、あまり考えていませんが、学生の皆さんにとっては大きな1週間かもしれませんね。本当にお疲れ様です。

人生は1回だけで、ゼミも基本は1回だけです。やり直しはできません。だからこそ、行きたいところに入れたらいいなと思います。僕は、応募してくれた方々はたとえ最終的にご一緒できなくても、何かの「縁」だろうなって思い関係を大事にしたいです。

いろいろなゼミのやり方があってよいでしょうし、どのようなやり方のゼミでも、それなりに楽しめるはず。そうだとすれば大事なのは、自分に合うゼミはどこか、どうしてそのゼミが合うのか、そのゼミで何を成し遂げたいのか、そのゼミに自分がどんな点で貢献できるのか、などです。見た目とかではなく、第一印象で勝負、それは意外に大事ですよ。やる気がある学生は、やはり輝いていますからね。僕も、その輝きに負けないようにしたい、そう思って論文を書いたり、講演をしたり、授業をしています。毎日毎日です。

あまりこれまで書いていませんが、僕のゼミでは法律を使って働くっていうことも極限まで追求してみたいです。弁護士でも弁護士じゃなくても、法律を使って活躍できる、そのことを学べたらいいですね。

何名の方が応募してくださっても、心から感謝します。じっくり悩んで、もしよかったら応募してみてください。後悔はさせないゼミをします!


(Photo taken at Yaesu, Tokyo Central Station, Chuo-ku, Tokyo, JAPAN

2017年9月26日火曜日

オープンゼミ(2回目)を終えて

オープンゼミ(2回目)に来ていただいた学生の皆様、どうもありがとうございました。人数はさておき、とても嬉しかったです!

全員がゼミに応募してくれるわけではないでしょうし、仮に応募してくれたとしても全員とご一緒できるわけでもないのですが、僕としては、せっかく来てくれた学生に大事なことを伝えられたように思います。そういう意味では、あの一回だけ来て貰えただけでしあわせですね(笑)。

リスク、それは金融の世界であれ、そうでない世界であれ、利益の源泉として君臨しています。リスクをうまく取れなければ利益を生み出すことはできないからです。民法で言えば契約を駆使して、リスクは取引されることになります。民法を学んでいても、なかなか気付きませんよね。それは、実務に近い形で法律を学ぶ機会がないからです。仕方ないことです。

僕のゼミでは、毎回、新しい問題に既存の法令や判例を応用して解決する能力を磨きます。その題材が医療、というだけです。好きか嫌いかにかかわらず、医療には新しい法律問題がたくさんあります。ヒトの生と死に関係する世界で、最先端の技術が応用される世界だからでしょう。

入門演習に出ているかどうかにかかわらず、2018年度のゼミ生については一から選考させていただきます。

青学のゼミの中では、おそらく異質中の異質のはずですが、僕はこのようなやり方の方が学生の自主性を高めて、面白いことができるのではないかと本気で考えています。

リスクが大きいかもしれませんが、リスクのないところにリターンはないので、もしよかったら応募をご検討いただければ幸いです。どうぞ宜しくお願いいたします。

2017年9月25日月曜日

オープンゼミ(2回目)の告知

今日のオープンゼミでは、高いリスクの引き受け方について学びます。リスクが高いところにこそ大きなリターンが転がっている、そのくらいのことは誰でも知っていますね(笑)。リターンは誰でも欲しい。でも、リスクが顕在化したときに引き受け方を間違えると、耐えきれなくてリターンどころではなくなってしまいます。では、どうやってリスクを評価し、引き受けていくのか、それが今日のテーマです。医療と法を扱う演習ですが、就活的に言えば、どの業界にも使える技術です。一番フィットするのは、金融で言えば損害保険とか生命保険ですね。銀行は、お金を貸したときのデフォルト・リスクが問題なので、今日の問題をそのまま応用しにくいかも。

それでは、ご関心のある学生をお待ちしています。軽い気持ちで遊びに来てください。見たことがない、経験したことがないゼミを提供します!


2017年9月19日火曜日

オープンゼミ(1回目)を終えて

9月18日のオープンゼミに参加してくれた2年生の皆様、本当にどうもありがとうございました。予想よりも多くの学生が来てくれて、とても嬉しかったです。

トピックは内緒です。わざわざここで示すこともないので(笑)。ただ、日頃のありきたりなニュースの中に、面白い法律問題がごろごろしていることに気付かされるトピックにしました。悩みに悩んで、わざと身近な問題を特別に選びました。

オープンゼミでは、2年生もグループディスカッションに加わってもらい、現3年生と一緒に作業を体験してもらいました。外から椅子に座って眺めてみても、ゼミの良さや悪さは分からないですよね。短時間で法的な問題を見つけ出し、どういうアプローチで自分の側に有利な議論を展開するのか、そしてその内容をプレゼンテーションに落とし込むのか、それを実践して貰いました。

個別ガイダンスでは聞いて「んー、そうか」という感じしか持てなかったと思いますが、オープンゼミに参加してくれた学生には、このゼミがどのくらい他のゼミと違うのかを理解していただけたのではないかと思います。

僕は、どのゼミとも違う形で、皆さんと法律を学びたいと思っています。新しいスタイルなので非常に驚くと思いますし、不安もあるかもしれませんが、それでもよければ是非、ご応募くださいませ。苦労する過程自体が好きな人には合わないかもしれませんが、このゼミでは苦労をできる限り少なくしつつ、結果に直結するような内容を提供します。


2017年8月26日土曜日

就活で思い通りの結果を得られなかったときに考えて欲しいこと

僕がこんなことをブログに書くのは、おそらく、青学にいる間だけです。青学にいつまでいられるかわからないけど(笑)、青学で働いている間、学生のためになることを書き残しておきたいと思います。

就活で思い通りの結果を得られなかったときに考えて欲しいこと、それは、すべての事象には何かしらの「意味」があるってことです。今回、思い通りの結果を得られなかったのには必ず意味があるから、それをプラスに変えていく努力をしませんか?僕が人生の先輩として話せるのはそれくらい。

思い通りの結果を得られない理由を探せばきっと無数にあります。いくら努力しても、最終的に何が直接の(因果関係のある)原因かは分からないでしょう。準備が足りなかったかもしれないし、会社や組織とフィットしなかったのかもしれない。あるいは、自分ではどうしようもできない理由でうまくいかなかったかもしれないです。大事なのは、今回の結果をそのまま受け入れて、次の行動に移すこと。理由を探して直しても、今回の結果は絶対に変わりませんから。変えられるのは、未来だけです。過去は変えられません。

ある種の失敗は、実はより大きな成功への第一歩だったりします。よくありますよね。エジソンの発明然り。ノーベル賞受賞者の大発見然り。失敗を通じてしか、ヒトは成長できないのです。どんなに素晴らしい会社のある事業でも、失敗のリスクは必ずあります。そのリスクに見合うだけのリターンの獲得を目指して努力するだけです。それでも失敗はときどきします。いろんな言い訳したり、成長へのプロセスだって言ったりしながら失敗を繰り返し、最後に成功できればそれでいい。もちろん、失敗ばかりだと会社も、ヒトも、生きていけませんけどね。

やり直すのに遅すぎるなんてこと、大学生のうちはぜんぜんないですよ。ピンチはチャンスですから、就活が思い通りにならなかったことをプラスに変えてみましょうよ。

(ちなみに、僕もいっぱい失敗して今に至っています。毎日、反省して生きています。)

(Photo taken in Aug. 2017, in Izu-Dogashima, Shizuoka, JAPAN) 




2017年8月24日木曜日

天気予報の恋人

「雨」に打たれるのも悪くない、今はそう感じています。それは、フジテレビの「天気予報の恋人」っていうドラマの影響です。

僕には気象の知識がまったくないですけど、気象は予測の学問。バタフライ・エフェクトがあるので、予測するのは難しいはずですけど、古来からずっと、ヒトは気象とともに生きてきました。日照りが続けば雨乞いをして、雨の日が続けば、お日様の登場を祈る、そういう時代から、今は天気を人工的に創り出す技術まで生み出されています。

気象と法って無関係そうに見えて、実は関係性が強いです。気象は予測の学問だといいましたけど、そうすると、そこには必ずリスクがあり、リスクがある世界では契約が機能します。保険とかを想像すれば、よく分かるはず。

話を雨に戻すと、雨に打たれると、自分が生きてるなぁって感じるのです。自然には勝てないヒトとして、自然の中で何とか生きているんだなぁって。傘を差したり、タクシーやバスに乗ったり、建物に逃げ込めば雨を避けることはできますけど、不意に雨に打たれると晴れの日も雨の日も、変わらず生きているんだ、生かされているんだ、と痛感します。

ミスチルの「雨のち晴れ」、浜崎あゆみさんの「Seasons」を引用するまでもなく、人生には良いときも、悪いときもある。悪い時は良い時を、良い時には悪い時をイメージできたら、1回きりの人生ってもっと大事に生きられるのではないか、そう思います。

雨の話なのに、写真は青空です。雨の日も、青空をイメージしています。雨の日があるから、青空はもっと青く、美しく感じられるはずです。


(Photo taken in Aug. 2017, in Meguro District, Tokyo JAPAN)

上を向いて歩こう

散歩していると綺麗な青空が見えます。お金では買えない景色、たまには見上げてみませんか。忙しいときこそ、何かしらの癒やしって必要ですよ。


(Photo taken in Aug, 2017, in Meguro District, Tokyo, JAPAN)

2017年8月14日月曜日

ゼミの選考について(4)何が夢か

夢って持っていないよりは、持っているヒトの方が輝いているように思います。ゼミ生にはぜひ、どんな小さな夢でも持っていて欲しいです。

夢は目標であり、目標が定まっていれば、それを実現するために必要な大まかな時間、自分が割くべきないし割けるリソース、他から得なければいけない助力などが具体的に見えてきます。必ずしもすべてが叶う夢ばかりではない。それはそのとおりです。しかしながら、目標を設定しなければ、そもそも何かを叶えるための行動さえまったく具体的に見通すことが出来ないのです。そうすると、行き当たりばったりの無駄な行動ばかりする可能性が高まってしまいます。

夢を持っているヒトって、言いっ放しということがなくて、一定期間に失敗でも成功でも、何かしらの結果を出せるヒトです。成功したらそれでよし。仮に失敗したら、そこから原因を分析して再チャレンジすれば良い。目標が高すぎるなら、目標自体から再設定したって構わない。ずるずる何も考えないでインターンに出たり、ウェイ-って騒いでいても、何も生み出されませんけど(笑)、なかなか分かって貰えないんだよなぁ。

最初は突拍子もない夢も、違った形で叶うかもしれません。たとえば、ゼミ生の中にはオリンピック選手になることを目指そうとした学生がいました。その方は、いろいろと悩んで、結局、一番行きたい企業に就職することにしました。自分が才能を賭けて輝ける何かを、頑張れる何かを一生懸命悩んで見つけたのです。オリンピック選手の夢は、別な形で、叶うことになったのだと思います。

僕のゼミに来てくれるヒトにはぜひ、夢を持って欲しいと思います。僕もその夢の実現に、ほんの少しでも協力できたらと思っています。

2017年8月12日土曜日

ゼミの選考について(3)他の人とどこが違うのか

ゼミの選考を含めてあらゆる選考プロセスでは、他の候補者との差別化が重要です。他の候補者がいる場合、その候補者ではなくて自分がより望ましいことをぜひ伺わせてくださいね。

具体的にいえば、差別化で重要なのは、あなた個人のエピソードです。これだけは誰にも負けないという話でもいいですし、部活の逸話でもよいですし、懇親会部長で盛り上げるのに自信があって誰にも負けませんでもよいですが(笑)、自分だけのエピソードをぜひ用意していただければ幸いです。大事なのは、あなたの話であって、誰かがこう言っていたとか、コメンテーターのような話ではありません。自分の経験や体験を具体的に話しながら、自分が誰とも違う存在なのだと証明してください!

あくまでたとえば、ですけど、僕の講義での経験とか、僕が覚えていたり、知っている話だと、当然ながらお話の信憑性は高くなりますよね。医療と法についてであれば、病気の話とか家族の話などいろいろあり得ますが、具体的に話せないと信憑性を感じにくいかもしれません。

あらゆるプレゼンテーションで重要なのは、相手に信用して貰うことであり、そこで機能するのはさまざまなものです。権威、学歴、経歴、部活やサークルといった所属グループの信用、実績、過去の経験や体験などいろいろなものを駆使することが出来ますけど、皆さんにとって最も使いやすいのは、部活やサークルといった所属グループの信用、実績、過去の経験や体験などで、特に自分の経験や体験が大事になってきます。

前に、このゼミは特殊だと話しましたけど、ヒトと違っていてもよいゼミです。個性的であることが評価されるゼミですので、ぜひ、プレゼンも頑張ってください。


2017年8月11日金曜日

ゼミの選考について(2)なぜこのゼミに入るのか

ゼミの選考では、皆さんから志望理由について丁寧に伺いたいと思っています。例年、プレゼミのメンバーの方がまとまりがあり、一生懸命な学生が多いのに対し、自分で選考している本ゼミの学生のまとまりが悪いためです。

皆さんは、このゼミにフィットする方々で、しかもゼミに何らかの貢献ができる方々でしょうか?就職活動では、一般的にですけど、志望する会社にフィットするかどうかと、志望する会社に貢献できるどうか、という2点が大きな問題になると言われています。ゼミの選考も基本的には同じです。志望理由を伺いたいのは、この2点を見極めるためです。どうしてこのゼミを選んだのか、という理由の答え方は、「~がしたいからです」とか、「このゼミを選んだ理由は~です」とか、いろいろあり得ます。先輩に進められたからとかもありがちですし、プレゼミから連続して志望する学生もいるかもしれませんね(笑)。大事なのは、繰り返しになりますけど、このゼミにフィットするかどうか、そして、ゼミに貢献できるかどうかの2点です。これに繋がるような回答でないと、「???」って感想を抱くと思います。

志望理由を考えるには、事前に、このゼミを知る必要があります。だからこそ、一応見学に来たのかどうかや、説明会に出席したのかどうかか、という点は比較的重視しています。このゼミにフィットするかどうかや、ゼミに何らかの貢献ができるどうかは、ゼミを知らないと決して話せないからです。

要するに、企業分析にあたるような作業が、ゼミの選考プロセスでも必要だということです。説明会にも見学にも来られないなら、それなりの理由を用意した方がよいです。その上で、先輩などを通じてゼミの感じを把握し、選考に備えるのがベターでしょう。

僕のゼミについては、就職活動と同じような感じで、選考プロセスを進めていくつもりです。本当に入りたい学生が、そして本当に入って貰いたい学生が選考をパスできるように、そう思っています。2年間も一緒のゼミで過ごすという重たい判断だということを肝に銘じて、慎重にかつ大胆に決めさせていただきます。

どうか宜しくお願い申し上げます。

2017年8月10日木曜日

ゼミの選考について(1)ヒトとして魅力的かどうか

2017年度ゼミの選考について、これから何回かに分けて書いていきたいと思います。今年の選考でははじめて、募集人数を可変的にしました。10名~16名としています。募集人数は少なめの方が格段によいと思う反面、一生懸命準備して頑張った学生を切るのはあまりにも申し訳ない、そういう思いから可変的な仕組みとさせていただきました。

僕のゼミは、良い意味でも悪い意味でも特別だと思います。他には決してないです。普通のゼミを希望する学生には、他のゼミがフィットするはずです。王道のゼミは、僕のゼミではない、そう信じています(笑)。

僕のゼミでは「医療と法」を扱いますけど、僕が本当に大事にしたいのは、何度も書いているとおり、法律の勉強を駆使して学生に夢を叶えて欲しい、っていうこと。法的なセンスを究極まで磨き上げて、プレゼンテーションやディスカッションを通じて魅力的な人間になって欲しい、そう思っています。僕はそんなに充実した学生生活を送れなかった分、皆さんにはせめて楽しい、そして貴重な機会だけは提供したいというのが本意です。

ヒトとしての魅力って何か。魅力的なヒトってどういうことかですけど、やりたいことがあって(ないなら必死に探している最中で)、ひたむきに努力できるヒトです。やりたいことがあって、ひたむきに努力できるヒトは、やはり輝いています。講義していても、話していても違いは分かります。

僕のゼミでは医療と法がやりたいという学生も歓迎しますし、僕のゼミでしかできないことを実現したいという学生も歓迎します。

僕のゼミで大事なのは、繰り返しになりますけど、ヒトとして魅力的かどうかです。言い換えれば、一生懸命な学生に来て貰えたら嬉しいです。僕も、そんな学生のために最大限努力したいと思っています。





2017年8月8日火曜日

常に「変化」が必要なのは皆一緒!?

先日、オープンキャンパスでの模擬講義を担当しました。「法律問題に正解はない」と題して、40分間の模擬講義を行いましたが、なかなか難しかったです。テイストは昨年と同じく、それでいて異なる題材で話すのは結構骨が折れますね(笑)。お忙しい中、暑い中にもかかわらずお越しいただいた皆様に、少しでも法学部のことを理解して貰えたら幸甚の極みです。

どんなビジネスにも寿命がある、そんな話が昨日の日経新聞に掲載されていました。たしか、三菱商事のLNGビジネスについてでしたが、講義の仕方やトピックも同じです。どんなにウケが良い講義も、必ず、定期的に修正やアップデイトを加えないと、面白味がなくなってしまいます。ウケないのはそれだけで大問題ですが、それ以上に大事な点として、事例が古ければ理解度に重大な影響を及ぼすだけでなく、応用力が研ぎ澄まされない可能性が出てくることも見逃せません。

法律問題の多くには正解がなく、だからこそ法律を学ぶ意味があるという大枠のメッセージが斬新さを失う日は近いわけで(笑)、だとすれば、中身を変えて斬新さを維持しなければならない、それが今年のミッションでした。実務家にしてみれば、ごくごく当たり前の話、ですからね。。。

学生の皆さんにも、トレンドを追っているようで、実際にはトレンドを追っているだけでは最先端から取り残されるかもしれない、そういう感覚を常に抱いてほしいです。トレンドなんて、誰かが何かをトレンドらしく扱っていて、それが世間的に当たり前になってはじめて、「トレンド」って言われるわけですからね(笑)。トレンドを追いかけているだけだと、むしろ、置いてきぼりになってしまいます。

常に変化を恐れず、誰よりも先を見通す力を自分なりに養ってください。
トレンドを追いかけるのではなく、作り出すくらいの意気込みで行きましょー(笑)。


(Photo taken in Biei, Hokkaido, in Aug. 2017)


(Photo taken in Biei, Hokkaido, in Aug. 2017)

話し方で結果は変わるかも!?

ゼミでプレゼンをしてもらっていて常々感じるのは、「やっつけ感」がありありってことです(笑)。1分間や2分間で、話したい内容を全部話し切るので精一杯なのは理解できますけど、大事なのは全部話すことより、必要ない情報を削り取り、分かりやすくなるように順序や構成を考えて、ヒトの目を見て話すこと。それが出来たら、就活の面接なんて怖くないはずですよ!

プレゼンは、実のところ見た目、表情、目線、身振り手振りなど使える道具がたくさんあります。ラジオと比べたら、どれだけ伝えやすい環境か理解できますよね。たとえば、僕はドライブしながら、毎週月~金の東京FMの番組「ブルー・オーシャン」をよく聞いているのですけど、ラジオって「話」しかない世界なのに、不思議と元気を貰えます。声の感じや、物事を分かりやすく、端的に伝えられないとラジオの世界では生きていけないだろうなぁ、って思い知らされます。テレビより大変な世界かもしれないですね。住吉さん、凄いです。

ロジックは確かに大事ですけど、ロジックだけで結論は決まらないこともあります。その時、あなたは法学部生として、話し方を武器にできるかどうか。少なくともゼミ生には、話し方を武器にしてほしいと心から思います。


(Photo taken in Biei, Hokkaido in Aug. 2017) 


2017年7月25日火曜日

就職活動に向けたセミナー開催!


2017年7月20日、三菱商事株式会社の方を香港からお招きして、セミナーを開きました。就職するためというより、よりよい人生を送るためのヒントをいただきました。魅力的な人間になることが、就職にとっての第一歩であり究極のゴール、そう改めて感じる機会でした。

この場を借りて、貴重なご講演に心よりお礼申し上げます。

下記のお写真は、フォトグラファーの今祥雄氏(Mr. Akio Kon, photographer)による撮影です。記して感謝申し上げます。


















































2017年7月24日月曜日

ゼミでは自分の良い面を極限まで伸ばそう


前期のゼミは今日で終わりですね。

長いような短いような、あっという間の数カ月でした。
伸びた学生ばかりではないですけど(笑)、それが人間です。僕が同じようにアプローチしても、結果は同じには決してなりません。

ゼミに期待し過ぎても無駄ですけど、他方で、ゼミって限界が特にないです。大事なことは、やりたいことをやるってこと。やりたいことを見つけ、誰かから協力を得て実現する。そんな場所ですし、そんな場所でしかないです。

ゼミの仲間の悪いところを見つけて指摘する前に、自分を伸ばすこと考えましょう。
時間は限られていますよ~。新生E-girlsの「Smile for me」で歌われているようにです。





(Photo taken at Nokogiri-Yama in Chiba Prefecture, in July 2017)


(Photo taken at Umi-hotal on the highway in July 2017) 

(Photo taken around Roppongi and Minami Aoyama areas in Tokyo, in July 2017)

Reaching for the sky

空を見上げると、綺麗な斑の雲が見えました。嫌なこともたくさんあるはずですけど、たまには空を見上げてみませんか?法律を一時忘れて(笑)。

ちなみに、タイトルは倉木麻衣さんの「Reach for the sky」へのオマージュです。

下を貶すのではなく、上を向いて歩いてほしいです。





(The sky from Roppongi area in Tokyo in July 2017)

2017年7月8日土曜日

あっという間に前期終了間近!!!

前期のゼミを終えようとしています。何か、新しい能力をゼミ生に獲得させることが出来たのか、僕には正直わかりません。それは、ゼミ生が評価し、ダメな点を教えて貰って改善してゆけたら、そう思っています。

ゼミでは、社会に出てから法律を駆使して生きていける能力を養いたい、そう思っています。医療問題だからどうっていうわけではなく、世の中では日々、新しい法律問題が生まれています。生まれているというか、発見されています。弁護士が関わり、三権のもとでいずれ解決されるでしょうけど、それらに誰よりも早く気づき、現行法における改善策や対処法の可能性を把握しておくことは、弁護士でなくても大事です。会社などで働いていれば、必ず、法律の助けを借りて事案を解決しなければならない事態に遭遇しますから(笑)。

あと、自分で新しいことをするときにも、法的に許容されるのかどうかや、法的にどんなリスクがあるのかについて、事前に分析できる能力も重要ですね。

ゼミが皆さんを変えるというよりは、ゼミを通じて皆さんが自然に変わってゆける、そんな環境を作り出すのが僕の役割だと思っています。

2017年5月29日月曜日

Something new is better, and needed

就活でも、法律問題の取り扱いでもですが、1件ずつ、異なるものだという点が重要ですね。たとえば、就活において上手くいっている学生のエントリーシートを見せて貰って真似てみても、決して同じようには進みません。法律問題だってそうです。過去の争いと同じように議論を展開したら、もし、関連判例があればそのとおりに結論づけられて終わってしまう可能性が高いでしょう。自分が有利ならまだしも、不利ならそのまま議論を展開するわけにはいきません。

どんなに見慣れた案件でも、すべての案件は新しいんだ、そう扱えなければいけない、僕はそう教わりました。エントリーシートの書きぶりや法律問題における議論の展開が似ていても構いませんというか仕方ないのですが、何かしら目新しい点、あなたらしさやこの事件特有の事情を示すことが極めて重要だと思います。

何かした目新しい点をどうやって見つけたらよいか、そこが腕の見せ所。新しい点というのは、比べないとなかなか見つけられないのです。1つだけ見ていて、あるものが新しいかなんて絶対に分からないでしょう(笑)?

就活ではあなただけの目新しさを、きっと見つけてエントリーシートを埋めてください。

2017年5月17日水曜日

Everything, it's you

ゼミで大事なのはゼミ生の期待や希望で、それがないと何も生み出せないというのが本音です。お金はお金でしかなくて、お金で買える楽しみは、(お金を持っているヒトならばほぼ等しく)皆が手に入れられるものです。皆さんにとっての本当の楽しさややりがいは、お金では買えません。お金は呼び水にはなりますし、ないよりはあった方がいろいろとやりやすいですけど(笑)。

たとえば、美しい景色を見るときに、プライベートに調達した飛行機やヘリから眺めてもいいでしょう。お金をかけたら、タイミングさえ良ければ、誰だって手に入る景色です。

でも、少し訓練して、装備を調達して自力でそこにたどり着いて景色をみたらどうでしょう。同じ景色が、まったく違って見えるはずです。足でたどり着ける場所には、ヘリや飛行機ではそもそも行けないわけですし、最終目的地にたどり着くまでの過程すべてが、景色をさらに輝いたものにすることでしょう。

僕自身にとってのゼミの目標は、僕が叶えるために努力すれば、たいていはどうとでもなりますけど、皆さんにとっての目標は、皆さんが見つけて、僕にシェアして貰って、それを叶える努力を皆でしないとたぶん叶いませんよね。

あるゼミ生が、ヒッチハイクして四国まで行ってうどん食べたいって話していました。野心的な試みで、心から応援したいと思いました。お金では買えない経験だからです。飛行機で四国に行って讃岐うどん食べるのとはぜんぜん違うでしょう。

お金では買えない、プライスレスな体験をゼミで見つける手助けをするのが、僕の役割だと心から思っています。それは法律に関係していてもいなくても構いませんから。



(Photos taken by my friend around the Tokyo Tower in Tokyo, JAPAN)


2017年5月14日日曜日

ゼミは就活にどのくらい効果的?

ゼミが就活にとってどれだけ効果的なのかは、個別の学生によるので何とも申し上げにくいです。同じようにゼミで学んでも、化けるヒトがいる一方で、なかなか変化がないヒトもいます。一番多いのは、元から能力が高い学生さんなので、僕のゼミに来ても追加的な一単位の改善がどうしても小さくなるってことですけど(笑)。

僕のゼミで就活が上手くいったりいかなかったり、ということはないです(笑)。絶対にないです。ただ、就活を進めていった時に、ゼミでやったことばかり、とか、ゼミでやってたことの応用だ、と感じることはきっと多いはずです。

プレゼンや面接の極意はないですけど、基本はあります。ゼミでは基本を徹底的にやります。何度も繰り返し、自然に身振りや手振りを使って、相手を観察しながら話せる能力を身につけられると思います。

あるゼミ生が、就活を終えてから「このゼミでよかった」と言っていたのを聞いてほっとしました。就活は通過点なので、この調子でぜひ活躍して欲しいと思います。人生は1回きりですし、ゼミでの2年間(プレゼミからのヒトは2年半)も1回だけですから、その経験を駆使して、法的な能力はともかく、力強く生きていって欲しいです。

Good luck!

2017年4月28日金曜日

ゼミ飲みを重ねた先にあるもの

先日、三年生と四年生の合同でゼミの飲み会が催されました。少しは打ち解けたのかもしれませんけど、飲んだだけでは仲良くなれないですよね。

話し方も話の聴き方もひとそれぞれ。チャラさも違えば、話す内容もライトなものから
重めのものまである。それがゼミの飲み会です。よい意味でも、悪い意味でも。

僕のゼミでは、1人1人に夢を叶えて欲しいというのが究極の目標ですが、そのときには支えが必ず必要になります。家族でも彼氏や彼女でもない友人が必ず、いつかどこかで必要になる。そんな友人をぜひ、少しでも多くゼミで作ってください。できたら、全員と仲良くなれればよいですが、なかなかそんなに簡単ではないですから、気楽に、自然に。

良い仲間に巡り会えますように。


2017年4月19日水曜日

就活への臨み方について

就活への臨み方は人それぞれで構わないのですけど、心の持ち様だけは大事にして欲しいと思います。就活でどうしても行きたい会社があったとして、そこに入れないかもって考えて悩んでいると、目の前の選考はもちろん、他の選考にも大きな影響が出ます。大事なのは、会社に皆さんの最善を見て評価して貰うこと。それで通らないところは、今は縁が無い、ということです。今は縁が無いっていうのは、改めて転職する機会があるかもしれないからです。まずは、全力を尽くすことに注力しませんか?魅力的な人間でいることが、実は、就活ではゴールに最も近い、そう思っています。

最善を見て評価して貰うというのは、簡単そうで、実はすごく難しいです。何も準備するなとは言いませんが、自分の本質で勝負するということなんです。テクニックを学び、他の人をまねたり、他の人と同じ方向性で勝負するのもありですけど、それってもったいないですよ。自分が他人と違ってより会社にフィットしていること、今後より貢献できることこそ、ESや面接で示していくべきです。他人のやり方はあくまで参考。勝ち方は自由、そう思いません?クラシカルな音楽全盛の時代に、ロックやジャズがどうやって生まれてきたか。それは、壁を破ろうとした人が実際にいて、そういう人が増えてきたからでしょう。就活だって同じです。他人の戦略を知った上で、自分なりに戦ってみましょう!あなたのやり方が、いずれ主流になるかもしれませんよ。

皆さんにはそれぞれよい点があるはずです。自分の良さを最大限発揮できるように、僕も応援しています。遠く陰ながら(笑)。



(A photo taken at Hitachinaka Seaside Park, in Ibaraki, JAPAN in Apr. 2017)



2017年4月14日金曜日

講義を受けて何になる?

講義は卒業のため、単位のために仕方なく履修してるってヒトがほとんどですよね。僕も、大学生の頃はそうだったかもしれないです(笑)。でも、講義って成績取るよりも大事なことがある気がします。

講義の内容は、実はおおよそすべて、教科書や参考書を読めば自分で理解できます。法律なんて特にそうで、別に法学部に入らなくても学べます。弁護士よりパラリーガルの方が内容に詳しいことなんてよくありますしね(笑)。資格とか関係なく、誰でもいつでもどこでも勉強できてしまいます。

最近の講義では、法律の分野でも理論なしに実務のお話だけ聞くというライトな講義も増えてきてます。そのような講義では、今起きていることを当事者から聞くので面白いのですが、その反面、当事者から話を聞いているので、バイアスがどうしてもかかっています(笑)。

法学部で講義を履修するのは、単位を得て卒業するためではありますが、端的に言えば、教科書や参考書を読まないで、概要をサクッと、面白く教えて貰えることに尽きます。残りや詳しいところは、自分で勉強すればよい。最低限の内容は、教科書読まなくても理解して貰えるようにするのが講義の役目、だと思います。言い換えれば、時間を買っている、ってことですね。

時間を買っているのに講義に出席しないと、お金だけ損します。単位貰うのってある意味当たり前ですから(笑)。先生だって、単位を落としたくて落としているわけじゃないです。他の学生との比較で、落とさざるを得ないから落としています。

講義時間は、1時間半と確かに長い(笑)。だからこそ、教える側は学生さんが頭を使える内容にしないといけないですね。アメリカ会社法とかの講義では、なかなか難しいのですけど、会社の形態とか考えて貰おうかと思っています。

今年は、アメリカ憲法の受講者が多くて驚いています。トランプ大統領のおかげかもしれないですね。

2017年4月12日水曜日

At our starting line, in April 2017


ゼミがはじまりましたけど、気が引き締まる思いです。4年生には自発性を、3年生には基礎的なこと+法律を使いこなすことの楽しさを重んじたい、そう思っています。

学生の間は、楽しいことがたくさんあって、別にゼミだけに時間や労力を割く必要はありません。それでも、ゼミに入ってよかったなって思って貰えるように、最大限の努力は惜しまないつもりです。

教えるのではなく、本当の意味で一緒に学べるようなゼミにしたいと思います。
2017年の誓いを込めて。

(A Photo taken along Meguro River, in April 2017)

2017年3月30日木曜日

講義は単位取得の楽さではなく、将来を考えて選択してみては?

講義の選択は就職を必ずしも左右するわけではないですけど、単位取得の楽さで決めるのはもう止めたらどうでしょう?どうせ出席も勉強もしない単位を取って何になるって、思いませんか?

誰の講義を選択して卒業してもいいです。ただ、せっかく多額の授業料を払っている以上、より価値ある単位に投資してみてはどうかな、って思います。

青学を卒業しても、それだけで付加価値が付くわけではないですし、就活が有利になるわけでもない。そうだとしたら、講義でもゼミでも、サークルでも部活でも、少しでも自分の将来にとって価値ある活動に時間を割いて欲しいです。

聴いてよかった、受講してよかった、最後にそう思って貰えるような講義やゼミを提供するために、お気づきの点があれば何でも指摘していただければと思います。

そういえば、ある講義について「簡単な内容を難しく質問している」というご指摘をいただきました。決してそういうつもりはないのですけど、質問にどう答えるかって就活だけでなく人生にとっても重要なので、うまく切り返す方法を学んでいただけたらと思います。わからなくても良いですし、最終的に回答できなくても構わないので。


 (Photo taken in Den Haag, Netherlands)


青学で3年目の勝負

2017年度、僕は青学で3年目を迎えます。3年間で1つの勝負、成果を出せなければ未来はない、そう思っています。講義とゼミで、これまでにない成果を出したいです。

成果というのは、もちろん、学生さんの満足度の向上であると同時に、アメリカ法や医事法を通じて、実社会において「法」を活用してクライアントに利益をもたらすような考え方をしっかりと習得してもらうことです。それに尽きます。

受講者数にかかわらず、全力で臨みます。
出席はカウントしませんが、成績を取りたければ、出席した方が望ましいですし、試験で手加減はしません。普通の問題しか出題しないからです。過去問を事前に示した上、試験で問われる知識を確認する回も設けたいと思います。

単位を取れればよいだけの学生にとってはうざいだけ(笑)、かもしれませんが、僕もお金を貰って教えている身。最善を尽くしたいです。

2017年度が学生の皆さんにとって有意義で実り多き1年になりますように。

(Photo taken during a flight from FRA to AMS)

2017年3月18日土曜日

2017年度の入門演習

2017年度の入門演習にたくさんの学生から応募をいただいたようで、深くお礼申し上げます。僕の入門演習は、そもそも、開講時間が遅く設定されていて敬遠したい学生が多いはずです。それなのに、たくさんご応募いただいたようで、本当に申し訳ない気持ちでおります。もし、選考から漏れてしまっても、どうか気になさらずに。僕の場合、講義でも、ゼミのような雰囲気は味わえるようにしていますし、講義には講義の良さがあるはずなので。また、もしよかったら、入門ではなく本ゼミ(普通の演習)の方に再度ご応募していただければと存じます。

2017年度、皆様とお目にかかれるのを楽しみにしております。See you soon!
(ちなみに、2017年度の入門演習の構成は、男性6名と女性10名の計16名となりました。)






(All photos taken in Hong Kong, China in 2017)

2017年3月4日土曜日

話し相手も暇じゃない!?

誰かと話すとき、おしゃべり以外ではちゃんと事前に考えて話してますか?相手も暇じゃないかもしれないですし、ちゃんと事前にストラクチャーを考えて話しません?結論を最初に、理由は後に。難しい話の時は、難しいお話(簡単ではないお話)なんですけどって前置きして話すと、印象がぜんぜん違いますよ!

テレビのコメンテーターだって、忙しくなる前にはきっと、ぜんぶのトピックについて事前に準備してどんな気の利いたコメントしようかな、事故らないコメントしないとなって考えているはず。コメンテーターじゃない僕らは、もっと気をつけないとうまくはなせませんよね。きっと。

一番良いのは、自然に気の利いたお話ができることですけど、そういうレベルの話はまた別の機会に。


(A photo taken around Nihonbashi area in Tokyo, in 2017)

相手方の気持ちや議論を予測しよう

法学部でなくても当然すべきですが、自分でこうしたいとか、これが正しいと思って話す時には、事前に相手方を徹底的に分析して、相手がどう考えるのか、相手が何かを言ってきたらどう反論できるのかを検討しておくべきです。

法学部にいて法律問題に答えがない、って聞いた瞬間に何を言ってもいいんだ、正解なんだって勘違いしてしまう学生がいますけど、ぜんぜん違いますよ。あるルールに事実を照らしたときに自分はAだと思うとします。相手は、A以外だと考えるかもしれません。同じ事実関係でも、関連事実の評価が異なるのかもしれませんし、自分がまったくカウントしていない事実を関連事実として重大視しているかもしれないです。そもそもルールの解釈が異なっているのかもしれませんしね。このような状況は、実務ではよく起こりますけど、答えがどちらでもよいなんてことはなくて、やはり、自分に有利な結果を得たいのが普通。どうします?

法学部にせっかく在籍しているなら、相手が展開してくる議論を先取りして潰してしまうことくらい考えましょうよ。相手は相手で、あなたの議論を予測して潰してきます。だって、それが法律論というか、ビジネスでは普通のことですから。相手の議論がもっともだ、と一応認めておきつつ(最初から否定しても構いませんけど、それだと相手が怒り出すかも)、しかし、こんな問題があって後からこんな重大な影響が出てくると不都合だから、今回はこの結論がベストなんだって言えた方が、明らかに説得的ですよね。

ゼミや講義で、さまざまな法律の解釈や判例を暗記するのは大事ですけど、暗記しても使えなければ意味がないです。はっきりいって無駄です。使えるというのは、諳んじて話せればよい、というのではありません。自分の周りにある法律問題を解決するのに、知識を応用できることを言っています。

どんあゼミに入ってもよいですし、どんな講義を履修してもよいのですけど、相手の気持ちや議論を予測してみたら、法律のお勉強はもっと楽しくなりますし、実務に出てからも活躍しやすくなると思います。

(A photo taken in Boston, MA, U.S.A in 2017)

2017年3月3日金曜日

法学部で僕がしたい授業&ゼミ

今のままでは法学部に未来はない、そう思います。法科大学院ができて、法曹養成の機能がそちらに大幅にシフトし、予備試験対策には予備校通いがベターである以上、法学部が生きる道は限られています。公務員対策をするとか、資格試験を受けさせるとかはどこの大学でもしてるかもしれませんが、法学部の将来像については、実のところあまり真面目に議論されていません(笑)。法学部に入ってくれた学生の皆さんには、少なくとも僕のゼミに入ってくれた学生には、法学部生である意味を最大限に享受して貰いたい、そう思ってここに書いてみます。

大学の法学部にどんな価値があるでしょう?大学の法学部で法律を学んでも、資格はまったく得られません。法律の知識を得られる、しかも一般の人よりはマシな程度に、それが現実です。また、○○大学法学部卒という肩書きだけで企業に入って活躍できる時代はもうとうの昔に終わっています。たとえ入社できても、先はそんなに甘くないです(笑)。偏差値が他学部より高いとか、頭がいいイメージとかどうでもよくて、法学部の価値ってそんなものです。

法学部の価値は、この世の中にあるありとあらゆるルールを最大限に活用して、自分や自分が所属する機関に最大の利益をもたらすような能力を身につけさせることにある、と思います。リーガルマインドとか、横文字はさて置き、それはどんな世界でも、資格に関係なく活用できます。ルールのない世界はこの世にはなく、例外のないルールはないのですから(笑)。

この世界では、ルールがいつでもどこでもはびこっています。ルールのない世界はない、と思います。「存在しない」ことの証明は「悪魔の証明」で絶対に不可能ですけど、おおよそどんな世界にも何かしかのルールはあるはずです。憲法だろうが条約だろうが、法令、条例、ガイドラインだろうが、社内規定だろうがサークルなどのグループ規約だろうが、全部「ルール」です。ルールがある限り、その解釈が問題になり、解釈次第である案件の結論に大きな影響が出ます。皆さんは、解釈を駆使して自分や自分の周りの人に利益をもたらすことができますか?

法学は言葉を駆使する学問ですが、大事なのはルールに基づいて言葉を駆使する点です。法学ではただ言葉を使うのではなく、ルールに照らして使うのです。なければ作ってもいいし、悪いルールなら変えてしまった方がいいかもしれない。ルールの周りで誰よりも言葉を大事にして、相手を説得する能力を発揮する、それが法学部生の強みだと僕は考えています。

法科大学院に入らなくても、ルールを使いこなす術は学べます。そう、ここ法学部でです。法曹になろうが、公務員になろうが、企業に行こうが全員、ルールを使いこなす術なしには生き残れません。もっと正確に言えば、活躍はできないでしょう。

僕は、ゼミ生の皆さんと新しい法学部の価値を見つけたいと思っています。僕が使うのは医療分野の法律問題ですけど、それはただの一例。どんな問題にも応用できるような頭の使い方を、皆でぜひ学んでみませんか?

2017年2月19日日曜日

出会いは奇跡?


ゼミでも何でもそうですけど、出会いって奇跡だと思います。生まれてから死ぬまで平均寿命で考えて80年以上あるとして、今の世界人口が73億人くらいいて、その中で実際に会える人々なんて何名なんでしょう。その中の1人がゼミ生であり、僕だとしたら、出会いって奇跡みたいなものだと思いませんか?

普通の友達関係でも、ビジネスでも、出会いは重要ですが、その重要さの1つは、出会いたくても出会えないってことです。ネットワーク理論からすれば、6人たどっていけばどんなヒトにも必ず出会えるとは言われますけど、それは偶然であったヒトが自分にとって掛け替えのないヒトになるかもしれないことまでは含んでいないです。

僕は、相手が学生かどうかは関係なく、講義でもゼミでもそれ以外でも、直接話したときから真剣です。だって、もう二度と話さないかもしれませんよね。伝えるべきことは全部伝えたいし、感謝したいことは全部感謝したいです。怒ることはほとんどないですけど(笑)、とにかく「一期一会」だと思って生活しています。

一回しか会わないんだから奪えるモノは奪い、あとは逃げれば良いというのも戦略的にはありなのかもしれないですけど、そんなあなたの魅力はどんどん落ちていくように思います。周りが全員、同じ戦略を採っているならまだしも、そんな「俺のモノは俺のモノ、おまえのモノは俺のモノ」っていう考え方を採るヒトには、たぶん、誰も近寄らなくなってしまいます。

ちなみに、大学の教員が学生に提供できるモノは「機会」でしかないですが、出会った人にはできる限りの機会を提供できればと思います。二度と会わないヒトにも、ゼミ生にも。僕から奪えるモノは、何でも奪ってください。それでも、僕にとっては奇跡みたいな出会いですから。  Good luck!

                              (A photo taken in probably Ebisu, Tokyo, JAPAN)

2017年2月17日金曜日

医療というテーマが。。。って思うヒトに

医療って、ないし医療のゼミってマイナーだよな、って思う人は多いかもしれませんね。それは、認めます。でも、医療って産業の中でも「ピか一」の規模なんですけど、知ってます?

数字を挙げると、2040年の世界における医療向け支出はなんと18兆ドルです。18兆ドルですよ。
2020年までに医薬品向けの支出だけで1.4兆ドルに到達する、というレポートもあります。医療では医薬品以外にも医療機器、再生医療関連製品、さらにはワクチンなども使われるわけですから、世界での医療にかかる費用は莫大です。費用と言っても、誰かにはお支払される額ですから、それは市場規模でもあるわけです。そして、世界の人口が増えれば増えるほど、この額はどんどん拡大していきます。少しずつでも着実に、です。

See WHO, Spending on health: A global overview, Fact sheet N°319, Apr. 2012, available at http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs319/en/; Institute for Health Metrics and Evaluation, Global spending on health is expected to increase to $18.28 trillion worldwide by 2040 but many countries will miss important health benchmarks, available at http://www.healthdata.org/news-release/global-spending-health-expected-increase-1828-trillion-worldwide-2040-manycountries; IMS Institute, Global Medicines Use in 2020: Outlook and Implications, Nov. 2015, available at https://s3.amazonaws.com/assets.fiercemarkets.net/public/005-LifeSciences/imsglobalreport.pdf

医療は、金融とも繋がっています。医療保険は、日本では公的なものが主ですが、世界的には必ずしもそうでもありません。私的な保険が販売されており、そこでは当然、運用が行われています。
それに、医療も金融も、情報の非対称性が問題となり、そのために比較的強い規制が設けられている業界です。

最後に、医療では最先端技術が応用されるため、法的にも新しくて面白い問題が目白押しなのです。医療はヒトの生死にかかわりますから、時に規制を乗り越えて新しい技術が用いられる場合さえあります。エボラ出血熱の治療などが好例ですね。

医療を扱うゼミは、ぜんぜんマイナーではありません。
ただ、医事法という法典がないので、さまざまな法律を扱うことになり、民法や会社法、その他の個別法のゼミとは異なるとは思います。

僕自身は、「ゼミで○○法を学びました」ということに意味があるとは思えません。○○法の△△というトピックを扱い、解釈と法令の改正を駆使して◇◇を改善する方法を見つけ出しました!などと自分の成果を説明できる方が、より価値があると思います。

医療のゼミも、他のゼミ同様に悪くないですよ。
ぜひお試しあれ!

チャンスは逃がすな。でも、どうやってチャンスを手に入れる?

チャンスは、誰にでも平等ではないですけど、ときどき降ってきます。それは、雨に打たれるのと同じです。そもそも、チャンスって「偶然」っていう意味ですから(笑)。問題なのは、チャンスを逃がさないで手に入れること。そのときに最重要なのは、チャンスをくれたヒトやモノに感謝してお返しするってことです。

僕が2年間、青学で働いていて痛感しているのは、青学の学生ってチャンスを逃すのが得意ですよね(笑)。せっかくチャンスを差し上げても、誰かが差し出してくれても、ぜんぶ捨てちゃってる学生が多いです。それは、目の前のご馳走を食い尽くすことだけしか考えていないからじゃないかな、と僕は思います。

ご馳走が差し出されたら、どうします?美味しく食べていいです。残さなくても良いです。でも、それだけでいいと思います?

ちなみに、法律は何も教えてくれません(笑)。僕も、ゼミでは絶対に教えないと思います。当たり前の行動をすることが、チャンスを逃がさないコツ。僕が言えるのはそれだけです。ただ、当たり前の行動って、口で言うよりもとっても難しいです。

チャンスは誰にでも遭遇できます。小さなものも含めれば必ず。
でも、逃がさない準備と行動が大事なんじゃないですかね。  Good luck!



2017年2月11日土曜日

ゼミのゴールは就職すること!?

ゼミのゴールって何なんでしょうね。行きたい会社に就職することだけだとすれば、ゼミの内容はもっともっと変容させる必要があります。ゼミには、会社に就職する学生だけではなくて研究者を目指している学生もいるでしょうし、学生のポートフォリオ的に就活にフォーカスしたゼミにするわけにはいかないです。他方、皆さんの親御さんにしてみれば「せっかく大学にまで入れたんだから、就活くらいうまくサポートしてくれ」というのが隠れた本音、なのかもしれません(笑)。

ゼミに入ろうが入るまいが、卒業後に働いて生活しなければなりませんけど、楽してよい生活できたら一番ですよね。学生だって人間ですから、楽して生きたいのは重々理解しているつもりです。僕だって楽して生きたいですよ。可能なら(笑)。ただ、驚くのはゼミの中に限らずですが、美味しい話には食いつき、苦労はゼロが一番、でもリスクもゼロじゃないと何もやれない、そういう学生が多そうですね(ゼミの中だけでなく全般的に感じること)。「おまえのモノはわたしのモノ、わたしのモノはわたしのモノ」って本気で思ってるんじゃないかと、怖くなることさえあります。

でも、思い出して欲しいのは、あるゼミを選んだ時点でリスクを引き受けているということ。リスクゼロの行為なんてほとんどあり得ないですよ(笑)。楽しい話や、自分にとって身になる話は、自分で時間をかけて、リスクを引き受けてはじめて実現できるんです。人から話を聞いても、この部分だけは理解できません。実際に行動して、失敗したり成功したりして、はじめて理解できるのですけど、それはなかなかわからないですよね。

僕の場合、ゼミって就活の先にフォーカスしています。ゼミの内容が就活に活かせるのはもちろんですけど、それは究極のゴールではない。法律を使って自分が幸せになったり、他の人々を幸せにするヒントを皆で考えて、現実のものにしていくためのゼミにしたい、と考えています。幸せの形はいろいろあるので、就活で成功するか否かには左右されるにしても、決定されるわけではないと思います。学生の皆さんには、他の人より少し先を見据えて、今の行動を再考してもらえたら嬉しいです。今の行動、リスク少ないように見えて実は大きなリスクにつながっているかもしれませんよ。ゼミの選択であれ、講義にどうやって出席するかも含めて。


2017年2月8日水曜日

法律を学んでも輝けない!?

法学部で一生懸命に法律を学んでも、社会に出て輝けるわけではないです。輝くっていうのは、幸せになるとか、生き生きとしていられるって意味です。一般的には成功する、という言葉と同じく使っています。法律を活用して働けるようになっても、たぶん輝けません(弁護士になっても皆が成功できるわけではない)。じゃあ、法律を学ぶ意味がないかといえばそれはぜんぜん違いますが、大事なのは大学で法律を真面目に勉強してみても、人生で成功したり、生き生きと生きていくことはできない、ってことです。大学では、そういう大事なことは教えていないんですよね。法律という生きる知識や知恵をただ垂れ流しているだけ、なのかもしれません。深く反省反省。

先日、出張で国際線に搭乗したら、昔、ある路線で一緒になったことのあるキャビンアテンダントさんと偶然遭遇しました。2年以上も経っていたのにお互い覚えていて驚きましたけど(笑)、何より、その人が輝いていたのにびっくりしました。何気ないサービスを提供していても、別の人とは違う輝きがあるって凄いことだと思いません?同じお金を払って同じ路線に、同じブッキングクラスで搭乗していても、そのCAさんと別のCAさんでサービス1つ1つにぜんぜん違った印象を覚えるというのは、大きなことだと思います。逆にいえば、そのCAさんは同じお金しかもらえなくても、乗客に最大限のサービスを提供しようとする姿勢がある、ってことです。皆さんにそれができますかね。

僕が伝えたいのは、人生の1つ1つの行動に意味があるということです。中途半端にやっても一生懸命にやっても同じ対価や利益を得られるとして、あなたはどんな行動をとりますか?講義とかゼミとか全部に当てはまりますけど、「なあなあ」にやっても単位を得られるかもしれないです。でも、一生懸命、自分なりに頑張っている人は、やはり、他の人より輝いて見えます。頑張ることってカッコ悪くないですし、むしろ素敵だと思います。その輝きが、あなたに予想外のものをもたらすかもしれない、なんてこれまで考えたことないですよね。きっと。

ちなみに、社会にでると、頑張っただけでは評価されません。一生懸命にやっても結果につながらなかったり、評価基準を満たしていなければほとんど評価されないのが「大人」の世界です(笑)。学生の頃は、だからこそ、失敗してもそうでなくても、一生懸命に頑張った人に報われて欲しいなって僕は思います。

法律を学ぶ、それは皆さんが輝くためのパーツにはなり得ますが、それだけでは絶対に輝けないです。成功もできません。ゼミを通じて、少しでも輝けるヒントを共有できたらいいな、と心から思っています。

僕自身も、常に自問自答の毎日です。学生にいう前に、自分が輝けているのかなって。輝いていない人が、教えていたってダメですからね。

2017年2月1日水曜日

同じ事実でも話し方で結末は変わるかも?法適用って理論だけじゃない!

「わたし、一円でも安いお店を見つけるの得意なんです!細かく思うかもですけど、ある案件に最適な解を発見するっていうのが楽しいですし、一円積み上げて彼と海外旅行で思い出作るんです!」

「わたし、一円でも安いお店で野菜買っています!細かく思うかもですけど、一人暮らしって以外と大変なんです!比較的安いお店で買うのが得意になりました」

上記2つの文章は、ほとんど同じ内容を含んでいますけど、印象は全く違うと思いません?大学で法律を学んでいると、どっちだって事実としては同じで、判例や法令に適用したら変わらない結論が導き出されるだろうっていう錯覚に陥ってないでしょうか。そんなことないかもしれませんよ。

ある判例や法令で、要件として3つの事実が必要だとしましょうか(A, B, C)。今、目の前にはDという別の事実が含まれているとのこと。Dがあっても、3つの事実A, B, Cがあるから、同じような法適用になるでしょうか?もし、Dが事件の性質として明らかに重大なものであるとしてもそう言えます?もし、同じような法適用を臨むなら、DはABCに紛れ込ませるというか、重大ではないのだという形で説明することになりますし、逆に、違うような法適用を臨むなら、DはABCを打ち消すくらい重大なものなのだ、という説明をしなければなりません。目的によって、利害関係によって、持っている事実が同じでも説明が変わってくるってわかります?

ちなみに、法律の世界だけでなく、就活でも同じですよ~。自分が持っている資質を、各社の採用方針やコーポレートポリシーに照らして、最大限生かすようにプレゼンできるかどうかだと思います。

実際に仕事してみると、きっとすぐに理解できますよ。
謝罪とか、好例中の好例でしょう。同じ事実に基づいて謝罪するとして、謝罪の仕方を誤れば、
「炎上」して取り返しがつかなくなります。嘘は言えないですが、どんな順序で、どのように説明し、
どうしてこのような事態を招いたのか、そこにどんな特別な事情があるのかないのかなどを
組み込んでいきます。

おそらく、大学で4年間法律を学んでも、気づかないままで過ごしてしまうヒトが多いでしょうけど、法律が面白いのは法解釈に幅がありうるここと、法と事実の両方を駆使して世界が動いているってる2点に尽きます。ちなみに、トランプ大統領の政権では、政権内部で法解釈が割れていて、その結果、大統領と異なる法解釈を採る官僚は政権を去ることになります。事実の扱い方も、新政権とオバマ政権からの官僚ではまるで違うようです。合衆国最高裁の判決が出るまで、このような綱引きというか、法解釈を巡る混乱は続くでしょう。大統領は、人事権を行使して法解釈を徐々に統一化していくでしょうね。





2017年1月30日月曜日

定期試験の成績を超えてーもっと大事なものがある?

定期試験でよい成績を得ることは大事ではありますけど、そんなに簡単なことではないので、あまり気にし過ぎないで欲しいです。なぜなら、正解や講評が必ずしも公表されない以上、自分の回答のよさや悪さは事後的に確認のしようがないからです。先生がAAと付ければAAですし、BならBでしかないですから。

そういう意味では、定期試験の成績は結果でしかないと言えます。僕は、学生の皆さんが自分でちゃんと勉強して、それなりに書けて成績が出ないときは先生が悪いんだ、こんな講義取らなければよかった、くらいの気持ちでよいのではないか、と本気で考えています。よければよかったね、ダメならせっかく勉強したけど仕方ないや、そのくらいで十分。大事なのは、勉強して得たものです。成績の結果じゃない。

ちなみに、先生方って誰でも、成績評価はかなり神経すり減らしていますし、批判覚悟で付けています。枚数が多い先生も少ない先生も、これほど苦しい作業はたぶんありません。少なくとも、僕にとっては一番嫌いな作業です。

学生にとって最も大事なのは、講義やゼミの中で自分なりに何を得られたか、ではないでしょうか。出席してもできなくても、講義を通じて勉強して得られたモノがあれば、それは人生にとってきっと役立てることができます。成績は、一端ついてしまったらそれが「成績」で後からは原則変えられないですし、留学等を除けばほとんど見られることないです。そして、せっかく15回分の講義があって、それを定期試験の成績のためだけに復習したりとかしてたら、本当に無駄、だと思いません?貴重な時間や資源の無駄だと思いますよ。


※もし、どんな先生でもですが、人生でまったく役立たない講義なんてしていたら、先生である意味がないし、そんな講義はダメだと僕は思っています。どんな先生でも、きっといつか皆さんの役に立てばいいな、そう思って教えていると信じています(個人差はあれど、ですけど)。

2017年1月28日土曜日

プレゼミの応募の前に

プレゼミを応募される現1年生の皆さん、プレゼミの選択は気の赴くままにお選びください。プレゼミを選択するのは悩みますよね。成績だけで決まってしまいますし、落ちたら行き場がないのではないかとか、いろいろと考えてしまうと思います。でも、プレゼミで失敗しても大丈夫。本ゼミで所属を変更すれば、損害は最小限にすることが出来ます。半年間、リスク込みで何を得るか、少なくとも自分なりに得たいと思うかという点から、ぜひ自分なりのプレゼミを選んでください。

契約法やM&Aビジネス実務論を教えていて感じるのは、失敗って決して起こってはいけないという感覚です。もちろん、できれば失敗したくないのは誰でも同じ。僕もあなたも、それ以外のヒトでも皆失敗は嫌なものです。でも、どんなに注意して選択しても、間違うことはあります(笑)。僕なんか、つい最近、上司の指示と若干ずれたアレンジメントをしていることを指摘され、凹んでいます。

ちなみに、僕は大学生の頃、2つの基礎演習(プレゼミ)に入っていました。1つは民法(ただし、労働法の先生だったので主に労働法)、もう1つは国際法でした。本ゼミでは別の領域を選びましたけれど、僕はどちらのプレゼミも受講できて本当によかったと思っています。無駄なことなんて何もないんだなって今更思います。今でも、労働法(水町勇一郎先生)と国際法(植木俊哉先生)は僕にとって特別な領域です。2人の先生のことは、ずっと尊敬して止みません。

必ず受講できる保障はない前提で、皆さんはどうやってプレゼミを選びますか。最悪のプレゼミが仮にあるとしたら(ないと信じていますが)、それを回避するのも一案ですね。でも、僕は、自分なりのポリシーを作ってプレゼミを選んで欲しいと思います。半期で何を得たくて、仮に得られたら次にどうしたいのか、得られなかったらどうやって挽回するのか、そういうプランニングの中で、自分なりの選択肢は見えてくるのだと思います。失敗しても大丈夫です。その方が、本ゼミの選択でさらに頑張れるかもしれませんよ。

選ばれる側の先生方も、正直、いつもどきどきしていると思います。どんな学生が来てるかなとか、誰も来てくれないのかもなっていう不安、学生の皆さんにはきっとわからないかもしれませんね。


Special thanks to the enrolled students

プレゼミ(半年間)と本ゼミ(1年間)の皆さん、本当にどうもありがとうございました。僕にとっては青学での2年目が無事に終わりました。心より深くお礼申し上げます。

いろいろな問題はあるのかもしれませんけど、僕は、改善するならやり遂げないと意味がない、と思っています。ゼミ生の皆さんからの意見を元にして、確実に着実によりよいゼミにしていくつもりです。文句を言うだけだと、何も変わらないですしね(笑)。

ゼミの主役はゼミ生です。それは、利益も失敗も享受することも意味しています。皆さんと一緒にさまざまな挑戦をして、失敗は最小に、成功をたくさんのゼミに出来ればと思います。


本当にどうもありがとうございました。








(Photo taken with the junior students at Aoyama Gakuin University)

(Photo taken at the final class by the sophomore students, in Aoyama Gakuin University)