2017年2月17日金曜日

医療というテーマが。。。って思うヒトに

医療って、ないし医療のゼミってマイナーだよな、って思う人は多いかもしれませんね。それは、認めます。でも、医療って産業の中でも「ピか一」の規模なんですけど、知ってます?

数字を挙げると、2040年の世界における医療向け支出はなんと18兆ドルです。18兆ドルですよ。
2020年までに医薬品向けの支出だけで1.4兆ドルに到達する、というレポートもあります。医療では医薬品以外にも医療機器、再生医療関連製品、さらにはワクチンなども使われるわけですから、世界での医療にかかる費用は莫大です。費用と言っても、誰かにはお支払される額ですから、それは市場規模でもあるわけです。そして、世界の人口が増えれば増えるほど、この額はどんどん拡大していきます。少しずつでも着実に、です。

See WHO, Spending on health: A global overview, Fact sheet N°319, Apr. 2012, available at http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs319/en/; Institute for Health Metrics and Evaluation, Global spending on health is expected to increase to $18.28 trillion worldwide by 2040 but many countries will miss important health benchmarks, available at http://www.healthdata.org/news-release/global-spending-health-expected-increase-1828-trillion-worldwide-2040-manycountries; IMS Institute, Global Medicines Use in 2020: Outlook and Implications, Nov. 2015, available at https://s3.amazonaws.com/assets.fiercemarkets.net/public/005-LifeSciences/imsglobalreport.pdf

医療は、金融とも繋がっています。医療保険は、日本では公的なものが主ですが、世界的には必ずしもそうでもありません。私的な保険が販売されており、そこでは当然、運用が行われています。
それに、医療も金融も、情報の非対称性が問題となり、そのために比較的強い規制が設けられている業界です。

最後に、医療では最先端技術が応用されるため、法的にも新しくて面白い問題が目白押しなのです。医療はヒトの生死にかかわりますから、時に規制を乗り越えて新しい技術が用いられる場合さえあります。エボラ出血熱の治療などが好例ですね。

医療を扱うゼミは、ぜんぜんマイナーではありません。
ただ、医事法という法典がないので、さまざまな法律を扱うことになり、民法や会社法、その他の個別法のゼミとは異なるとは思います。

僕自身は、「ゼミで○○法を学びました」ということに意味があるとは思えません。○○法の△△というトピックを扱い、解釈と法令の改正を駆使して◇◇を改善する方法を見つけ出しました!などと自分の成果を説明できる方が、より価値があると思います。

医療のゼミも、他のゼミ同様に悪くないですよ。
ぜひお試しあれ!