2017年11月12日日曜日

プレゼンはすべてを変えるかも(2)

プレゼンテーションで相手を知ることの次に大事なのは、自分が持っている武器を十二分に理解して活用することです。ここでいう武器は、本当の武器ではなくて(笑)、事実関係や関連するデータ、自分に有利なルール、そしてルールに事実などを当てはめたときの予想される結果などです。実は、この武器を理解すること→武器を活用するところは、法学部でも、それ以外の学部でも大学院でも、どこに行ってもなかなか教えて貰えないところだと思います(というか、実務的すぎて教えられない、というのが本音)。

塩野誠「プロ脳のつくり方」(ダイヤモンド社・2007年) という本が、一番わかりやすいと思います。一度読んでみてください。面白いですから。

なぜ、「自分が持っている武器を十二分に理解して活用すること」が難しいかと言えば、皆さんの経験の中にないお話だからです。

自分に有利な事実関係やデータがないならどうします?僕なら、まずは改めて必死に探しますね(笑)。だって、それらの事実関係やデータは、自分が望む結果とは関係なく集められたものに過ぎません。改めて目的に照らして探し直してみます。

次に、そうやって探した事実関係やデータが少ない、特に有利になるものが少ないとして、どうしましょう?ねつ造はできません(笑)。他方、自社に不利な内容の事実やデータからだけでレポートを書いてもまったく評価されるはずもない。そういうときは、事実関係やデータが少ない理由を問い直してみます。自社にも悪い点があったのだとは思いますが、それ以外に何か理由はないのか、法令上の義務や、他社の取り扱いや対応などとも比較しながら考えていきます。

そこまでが下準備です。こうして集められた事実関係、データ、事実関係やデータが示す事実の背景事情を理解してから、適用されるルールに当てはめていきます。望ましい結果にならないなら、ルール自体を批判しても良い。

法学部にいても、そんなことぜんぜん考えませんよね?アメリカの弁護士ドラマを観てみたら、毎回、そんなことの連続ですよ(笑)。

事実やデータの取り扱いは大事です。プレゼンテーションの基本中の基本。
ぜひ、理解してください。