法学部で一生懸命に法律を学んでも、社会に出て輝けるわけではないです。輝くっていうのは、幸せになるとか、生き生きとしていられるって意味です。一般的には成功する、という言葉と同じく使っています。法律を活用して働けるようになっても、たぶん輝けません(弁護士になっても皆が成功できるわけではない)。じゃあ、法律を学ぶ意味がないかといえばそれはぜんぜん違いますが、大事なのは大学で法律を真面目に勉強してみても、人生で成功したり、生き生きと生きていくことはできない、ってことです。大学では、そういう大事なことは教えていないんですよね。法律という生きる知識や知恵をただ垂れ流しているだけ、なのかもしれません。深く反省反省。
先日、出張で国際線に搭乗したら、昔、ある路線で一緒になったことのあるキャビンアテンダントさんと偶然遭遇しました。2年以上も経っていたのにお互い覚えていて驚きましたけど(笑)、何より、その人が輝いていたのにびっくりしました。何気ないサービスを提供していても、別の人とは違う輝きがあるって凄いことだと思いません?同じお金を払って同じ路線に、同じブッキングクラスで搭乗していても、そのCAさんと別のCAさんでサービス1つ1つにぜんぜん違った印象を覚えるというのは、大きなことだと思います。逆にいえば、そのCAさんは同じお金しかもらえなくても、乗客に最大限のサービスを提供しようとする姿勢がある、ってことです。皆さんにそれができますかね。
僕が伝えたいのは、人生の1つ1つの行動に意味があるということです。中途半端にやっても一生懸命にやっても同じ対価や利益を得られるとして、あなたはどんな行動をとりますか?講義とかゼミとか全部に当てはまりますけど、「なあなあ」にやっても単位を得られるかもしれないです。でも、一生懸命、自分なりに頑張っている人は、やはり、他の人より輝いて見えます。頑張ることってカッコ悪くないですし、むしろ素敵だと思います。その輝きが、あなたに予想外のものをもたらすかもしれない、なんてこれまで考えたことないですよね。きっと。
ちなみに、社会にでると、頑張っただけでは評価されません。一生懸命にやっても結果につながらなかったり、評価基準を満たしていなければほとんど評価されないのが「大人」の世界です(笑)。学生の頃は、だからこそ、失敗してもそうでなくても、一生懸命に頑張った人に報われて欲しいなって僕は思います。
法律を学ぶ、それは皆さんが輝くためのパーツにはなり得ますが、それだけでは絶対に輝けないです。成功もできません。ゼミを通じて、少しでも輝けるヒントを共有できたらいいな、と心から思っています。
僕自身も、常に自問自答の毎日です。学生にいう前に、自分が輝けているのかなって。輝いていない人が、教えていたってダメですからね。