ゼミのゴールって何なんでしょうね。行きたい会社に就職することだけだとすれば、ゼミの内容はもっともっと変容させる必要があります。ゼミには、会社に就職する学生だけではなくて研究者を目指している学生もいるでしょうし、学生のポートフォリオ的に就活にフォーカスしたゼミにするわけにはいかないです。他方、皆さんの親御さんにしてみれば「せっかく大学にまで入れたんだから、就活くらいうまくサポートしてくれ」というのが隠れた本音、なのかもしれません(笑)。
ゼミに入ろうが入るまいが、卒業後に働いて生活しなければなりませんけど、楽してよい生活できたら一番ですよね。学生だって人間ですから、楽して生きたいのは重々理解しているつもりです。僕だって楽して生きたいですよ。可能なら(笑)。ただ、驚くのはゼミの中に限らずですが、美味しい話には食いつき、苦労はゼロが一番、でもリスクもゼロじゃないと何もやれない、そういう学生が多そうですね(ゼミの中だけでなく全般的に感じること)。「おまえのモノはわたしのモノ、わたしのモノはわたしのモノ」って本気で思ってるんじゃないかと、怖くなることさえあります。
でも、思い出して欲しいのは、あるゼミを選んだ時点でリスクを引き受けているということ。リスクゼロの行為なんてほとんどあり得ないですよ(笑)。楽しい話や、自分にとって身になる話は、自分で時間をかけて、リスクを引き受けてはじめて実現できるんです。人から話を聞いても、この部分だけは理解できません。実際に行動して、失敗したり成功したりして、はじめて理解できるのですけど、それはなかなかわからないですよね。
僕の場合、ゼミって就活の先にフォーカスしています。ゼミの内容が就活に活かせるのはもちろんですけど、それは究極のゴールではない。法律を使って自分が幸せになったり、他の人々を幸せにするヒントを皆で考えて、現実のものにしていくためのゼミにしたい、と考えています。幸せの形はいろいろあるので、就活で成功するか否かには左右されるにしても、決定されるわけではないと思います。学生の皆さんには、他の人より少し先を見据えて、今の行動を再考してもらえたら嬉しいです。今の行動、リスク少ないように見えて実は大きなリスクにつながっているかもしれませんよ。ゼミの選択であれ、講義にどうやって出席するかも含めて。