2018年6月2日土曜日

話さないことに価値がある?

ゼミでプレゼンをしてもらっていると、考えたことをぜんぶ話しちゃうグループや個人が多いのに気付きます。ぜんぶ話しちゃうと、他の部分が弱くなる、注目されなくなるって知ってますか?時間が限られている場面では、ぜんぶ話すのは禁物です。相手からわざと質問させて、それから答えるような形のプレゼンの仕方をぜひ覚えてください!

(ちなみに、交渉でも沈黙の時間は大事って教わります。意外と。)

プレゼンは、これまで皆さんがゼミや授業などでしてきた「発表」とは違います。レジュメにまとめた内容をぜんぶ話したり、調べてきたことをぜんぶ説明してもあまり意味はないです。重要なのは、より大事な部分を説得力のある形で伝えること、聞いて貰うことです。長く話せば話すほど、相手の集中力は落ちていきますし、何が大事なのって思われてしまうのです。

たとえば、他のグループと同じ話は、他のグループに任せてしまえばいい。二度も三度も同じことを話してもインパクトはないし、聞いても凄いとは思えません。むしろ、似ているけどここが他のチームとは違う、そういう話し方が大事だと思います。

僕は、元官僚の上司と今でも働いています。事務次官になれなかった方として有名なのですが、その昔、一言で要件を話せ、と教わりました。あまり直に教えて貰うことはないのですが、教えて貰った数少ない事項の1つです。ただの報告なのか相談なのか、それとも意見なのか、上司に何か頼んでいるのかをはっきりさせてから、事案を説明しろというわけです。今では当たり前ですけど、大学院で勉強していたときにはそういう話し方はぜんぜんできませんでした。

プレゼンは、正直、考えているほど簡単ではないです。いきなりできる、という代物ではない。だからこそ、基礎をしっかり身につけて欲しいです。あとは、自然に、自分の個性を駆使して上手くなりますから。上手くなると、漏れなくダブりなく(MECE)と、端的に伝えるというのが同時にできるようになりますよ。

もう、ただいたずらに話すのは止めません?
発表じゃなくてプレゼンをやってみましょう!

(Photo taken at Fukiware Fall, in June 2018)