「じゃあ、△△は?」→「そちらも同様でして、急ぎ調べて対応します」
○○とか△△って何でもよいのですけど、講義やゼミで扱った内容以外の問題ならばすべて、あとから調べて対応することになりますよね。でも、実務ではそんな猶予はないことが多いです。その場で何らかの切り返しをしておかないと、次の機会はない。もちろん、次の機会なんて必要ない場面もありますけど(嫌なお客さんとか取引先でもう先はなくて良い場面とか)、僕のゼミではその場でどうまとめるか、どう話すべきか、というトレーニングをしています。
僕のゼミは、他のゼミより楽かもしれないですが、前に話したとおり、下手をすると何も残らないリスクがあります。金融商品っぽく説明すると、ハイリスク・ハイリターン商品です(笑)。
他のゼミでは、ある問題を1週間から数週間かけて徹底的に調べ上げて、その内容をレジュメにまとめて報告する、そういう流れが一般的です。グループで集まって、必死に調べたり、レジュメをまとめたりすることで、グループワークをうまくできるようになるとは思います。そういった時間の共有自体が貴重な機会であり、重要な経験として皆さんには残ります。
僕のゼミでは、そういう貴重な機会や重要な経験はありません。あるのは、基本的に授業時間内の作業とプレゼンだけです。逆に言えば、そこで何かを得られなければ、何も残らない、ということです。
大学の外で働く場面に遭遇すると、大学とは異なる時間が流れています。純粋な申込みと承諾なんて本当に存在するのかな、そう思うことさえあります。理不尽なことで怒られたり、人のミスでも自分のミスにされることなんてざらです(笑)。大学の外の方が、普通の世界なのですけど(笑)、一般的なゼミではそこが実験室であるかのように、真空状態でさまざまな努力がなされているわけです。現場では起こりえない想定だったり、教科書の事例だったり、過去の判例そのものを扱い、議論しますね。何のために、誰のための理論や議論なのかは、置いてきぼりになりがちです。
過去の事例や想定事例は、あくまで事例にすぎず、本当に大事なのは目の前の事案です。
目の前の事案についてコメントを求められて瞬時に、何かしら話せるのかどうか。たとえば、「○○ですと、☆という最高裁判決が適用されうるのですが、おっしゃるような事実関係ですと、・・・になりますかね。ただ、最新の下級審判決や論文を確認させてください」とか。分からない問題に遭遇したら、その場で即座にリーガルリサーチしたっていい。早さとある程度の正確さがあれば、ですけどね。
覚えたこと、書いたことを話すのではなく、その場で自由に話してみませんか?そこではきっと、ゼミで学んだことを活かせるはずです。相手の反応は、どこまで予測しても、予測を超えてきますから、その場で切り返す、切り返せる、そう思って話してみましょう。
※最近、青学ではなくて某大学のゼミでは、質疑応答形式でプレゼン中に質問して、それに答えて貰っています。質問する方も大変ですけど(笑)、僕から質問される方はもっと大変だろうな(笑)。あんなのに対応できたら、就活なんて何にも怖くない気がします。
