2020年4月4日土曜日

Only one experience we could have for life

こんな経験をするのは初、人生でこれっきりかも。多くの人が傷つき、苦しみ、亡くなり、法令の専門家でさえ対処に苦慮する事態が目の前にあります。こんな状況下で、法律を学べるのは間違いなく貴重です。なぜかって言えば、「法の無力さ」を痛感することができるから。法が無力だからこそ、僕はらはその無力な法をよりうまく使う方法を学ぶ。無力な法でも、使い方次第では人が傷つきますし。

法律を学んでも、別に何も変わりません。資格が得られるわけではないし、賢く生きれるわけでもない。僕らが知るべきは、法には欠缺がたくさんあって、無謬ではありえず、しっかりつくっても上手く使えないという現実です。法学部生は、誰よりも早くそのことを知ることができます。裁判をしても勝てない、仮に勝ててもなんの足しにもならない。そんな現実を知るんです。

新型コロナウィルス感染症の関係でいうと、法令があっても人の命って救えないんです。救うのはヒト、医療従事者。もちろん、感染の拡大を遅くしたり、拡大を防いだり、感染した方の隔離や治療を支援したり、物資を調達したり、そういうことは法令にもできます。でも、亡くなった方を生き返らせることは当然としても、感染者の方々を治してあげられるのはヒト、だけなんですよね。

昔、少し大掛かりな検査を受けた時に、大学病院の先生がおっしゃってました。医師は病気を治そうとできるけど、お金がない患者さんを救えない。それは、法律を勉強している人に何とかしてほしいよって。今思うと、法律勉強しても、お金がない患者さんを十分に救えていないし、この状況下では、お金がある患者さんさえ救えていないんです。パンデミックのもとでは、日本の健康保険制度は他国よりはましかもしれないけど、それでも、十分には機能していない。たくさんの保険料と税金を投入しているのに、です。

未曽有の危機を経験した人とそうでない人なら、ぜったい、前者の方がよりよく生きれます。不謹慎な言い方になるけど、ピンチであればあるほどチャンス。そう思って前向きに行動しましょう。