2020年4月26日日曜日

心が疲れたら

空を見上げるようにしています。法律を学んでも、誰かや自分の心を癒せるわけじゃないし、僕らができることってあんまりないですよね。ゆったり、自分が支配できない世界、たとえば雲や星の動きなんかを見ていると、落ち着きます。ああ、どうしようもないことってあるよねって。

普段、法律の話ばかり書いているけど、今日は、心の話にしたいんです。僕自身が、少し、心にぽっかり穴があいたみたいになっているから、ではないんですけど(笑)。新型コロナでうつ病になる人もいるみたいですし、少し話題を広げようかと思いました。

講義中は、約束は破られるとか、契約を破る自由とか教えてますけど、まあ、辛いですよね。約束や信頼が裏切られたら。そりゃ、裏切られる方にも非があるかもだし、悪いんだろうけど。でも、大事なのは、破られた方に金銭的な価値に換算できない損害が残るかも、っていう現実です。契約違反の場合、普通は代替物を手に入れられて、損害も金銭換算できることが多い。他方、心の場合、金銭換算できないのが普通(日本なら慰謝料は一応あれど、そういうのじゃなくて、苦しいとか悲しい思いは消せないし、心の代替物なんてない)。もちろん、破る方も心の痛みはあるのかもしれないですね(笑)。破られた方にはわからない痛みや苦しみが。

破られない約束や契約がないからこそ、一緒にいられる、一緒に行動できる時間はとっても貴い。そして、約束や契約が破られたら仕方ないんですよ。前向くしかない。時間は戻せないし、破った人を非難しても何にもならないし。後悔先に立たず、ですよね(笑)。ああ、約束しなきゃよかったとか、契約しなきゃよかったなんて、言っても無駄なんです。

ヒトとヒトでいったら、出会ったら別れ(最後は死別)が予定され、別れたらまた新たな出会いがあるのかもしれない。約束や契約が破られた時には、先のことなんて考えられないくらい辛く苦しいかもだけど、時間は止まらない。必ず進みます。嫌でも前に進む。そんなときに、空を見上げてほしいんです。雲や星が移動すると、時間が流れているって気づけます。同じ場所に留まれないんだなってことも分かりますよ。

法律を学んでいても心は癒せないですけど、騙されにくくはなるかな。そして、約束や契約を破られても、被害を最小にする術は身に付きます。もっとも、それでも心の痛みは消えません。消えない損害、心の痛みや苦しみ、その存在を知っているかどうかで、ヒトの魅力は格段に変わるんじゃないかなって、僕は思っています。約束や契約、破られたら破られただけ、強く、魅力的なヒトになれるかもしれませんね。

(With great memories forever, even though we sometimes face breach of promises or contracts. )