ゼミや講義をしていて、ポンポン発言してくれる学生が増えてきたことはとても嬉しいです。もう一歩先に進むには、聞かれる前に質問を予想して、一回検索してみるのがおすすめです。
どんな法律家も、すべての論点を暗記しておけるわけではないし、そもそも、暗記していても新しい法令や判例によって内容が変わっている場合もあります。記憶をたどるだけじゃなく、調べて確認してみましょう。
大事なことは、一度は原典に当たること。サマリーを読んで当たりをつけたら、原典を読んでみないとダメです。サマリーは、間違ってはいなくても、作成した人の影響が色濃く出ます。
ちなみに、調べるのにかかる時間は1週間でも1時間でもなく、せいぜい数分です(笑)。予習とか復習とかいうレベルじゃないでしょう。サクッと調べられれば、正答率を上げられる上に、自分の勉強にもなる。僕のゼミでは、短時間で検索し、必要な情報を手に入れて議論を組み立てる訓練をしているんです。「今回のパズルは解けた?」と聞くのは、どんなピースが自分にあって、ないピースがどれで、調べてピースをすべて手に入れて、埋め込めたか、そんなことを聞いているんですよ(笑)。
もし、調べた結果、法令や判例が自分に不利な内容だとわかったら、どうします?そんなときは、事実やデータをもう一度洗い直しましょう。法令や判例自体が不利な内容なら、今度はルールに当てはめられるデータや事実自体を洗い直して、結論が変わらないのかを確認すればよい。弁護士が「結局は真実が一番強い」というのには訳があって、当てはめるべき事実やデータが不利なら、その不利を挽回するのにはやはり無理がつきまとうからです。
学説まで調べようとすると、検索では限界があるのですが、学説まで調べないと結論らしきものにたどり着けない法律問題は意外と少ないです。調べてみればわかります。
思いついたらまず行動。検索してから話してみましょう!