講義やゼミがはじまるので、少しでも現場感覚を取り戻したくて、フジテレビ系のドラマ「離婚弁護士」を観ていました。海外の法廷ドラマもいいですけど、日本だと離婚弁護士は群を抜いてよいと思います。僕は、ビジネスに関係する法令を扱うことが多いですけど、ヒトの人生や思いが詰まっている法律問題にどう寄り添って、クライアントの意向を叶えるのか、というのはなかなか難しいですね。切ったり貼ったり、というか大立ち回りだけでは済まない世界なので。地味な仕事をたくさん積み上げて、はじめてクライアントに納得してもらえる。それを上手く描いているドラマです。
渉外弁護士から一夜にして普通の弁護士に変わる主人公が、クライアントに寄り添っていく姿は、本当に見ものです。ああいう弁護士に会ったことありますか?僕は、あります。現場は生生しく、交渉も簡単じゃなくて、はったりや、半分嘘が混じっています。そんな現場で結果を出し続けないと生きていけないのが弁護士。法学部の講義では学ばない、というか学べない世界がそこにはある。
もう少しいうと、別に弁護士じゃなくても、クライアントがいる仕事は大変です。客観的に誰がどうみても「A」なのに、「A'」 or 「B」で処理して欲しいっていうクライアントが居る。さてどうしよう。クライアントの意向は、ある意味で絶対。非常に強いです。意向を変えてもらった方が中長期的にはベスト、でも、それを強いれば次の仕事はない。さあ、どうします?敵や競争相手がいる場合には、より面倒です。
ヒトがヒトを評価し、ヒトがヒトと交渉し、ヒトがヒトを裁く。そこには、白黒簡単につかない案件がごろごろしているんです(笑)。絶対に譲れないものを取り、他は全部捨てて訴訟を回避するという戦略がドラマには出てきますけど、講義ではああいう話、ぜったいに聞けないですよね(笑)。勝つか負けるか、それしかないですからね。
「Suits」とか、「Good Wife」も凄くよいリーガルドラマですけど、離婚弁護士も是非ご覧あれ。フジテレビが好きか、嫌いかに関係なく、きっと楽しめると思います!