2019年3月23日土曜日

単なる"a hired gun"としての活動に未来はあるの?

"A hired gun"という言葉は、あまり使いたくないです。クライアントに雇われた弁護士のことを表す言葉なのですが、クライアントのためなら相手を徹底的に叩きのめすのも厭わないのが弁護士、そういうことが暗示されています。それは、ある意味で真実なんですけどね。皆が敵でも、皆がどんなに攻撃をしてきても「自分の」弁護士だけは自分の味方でいてくれる、っていう意味でもあります。

僕は弁護士ではないけど(笑)、クライアントの言い分をそのまま聞いて仕事を進めると、必ずしもクライアントにとって最善の結果にならないことがある、という現実は知っています。実体験として(笑)。僕ごときが知っていることなのだから、弁護士の先生なら、きっと知っているはず。それでも、結果的にお金をもらう以上、クライアントの意向をただ受け入れて、ないしぎりぎりの線まで受け入れて、書類や報告書を作成することがあるかもしれませんね。

最近のニュースを見聞きして、弁護士がかかわっているのに問題が逆にこんがらがっている感じの案件を見つけました。何の案件かはご想像にお任せしますけど、弁護士の先生が必ずしもすべてにおいて悪いわけではないかもしれない。クライアントの側の意向なのかもしれない。でも、結果を出せなければ意味がない。クライアントにとって最善にならないサービスを提供してしまったのはなぜなのか。逆に、クライアントも短期的な視点で、弁護士のサービスを食い尽くした感がありますよね。今回に関しては。

弁護士は経営判断には関与しないというのは、よく使われる素晴らしい理由付けなんですけど、これでクライアントは本当に生き延びたのかどうか。何より、かかわっている関係者の方々の満足度は改善しているのかどうか。記者会見中に、関係者から事実関係を訂正されるような事態は、僕はぜったいに経験したくないですね。。。もしされるなら、事前に訂正されることを想定しておきたいなって思いました。

どんな弁護士の先生に、どんな風に依頼するのか、どんなふうに事実関係を説明するのか、何を求めるのか、それによって緊急事態のコントロールの可能性は変わりうる気がします。今回の案件は、とても勉強になりました。いろんな意味で。弁護士の先生にお金を払って任せたら大丈夫、弁護士の先生に指示したから大丈夫っていうわけじゃないってことかもね。クライアントの側も、いろんな努力がいるってことですよね。皆さんが会社に入ったら、弁護士の先生をうまく使って、ないし、弁護士の先生にうまく依頼して、事態を改善させられるでしょうか。