2018年11月18日日曜日

法で戦うってどういうこと?-CNN v. Trump

アメリカ法を眺めていると、毎日、法律問題ばかりです(笑)。法の国、そういわれるだけのことはあって、メディアでは法的な観点からの分析がなされます。もちろん、現行法で対応不能や望ましくない結果になるなら、立法の観点からもコメントがある、それがアメリカです。

法で戦うって、イメージが湧きますか?「リーガルV」でも、離婚弁護士でも扱われていますけど、「それって法律問題にホントになるのっていう問題」を、法律のフィールドにわざわざ引きずり込んで解決に導く、そういう話って信じられますか?

CNNのある記者さんが、ホワイトハウスの記者証を取り上げられた事件、実は訴訟になっていて、すでに暫定的差し止め命令が連邦地裁から出ています。すなわち、記者証を取り戻すのに「法」と「裁判所」が使われて、実際に返還されたようです。いろいろな根拠が挙げられていますけど、究極的な根拠は何でしょう。そう、最強の人権とも言われる「first amendment」、表現の自由です。あとは、デュープロセス(行政手続法もちょっぴり引用されているので注意)。

http://online.wsj.com/public/resources/documents/2018_1118_cnn_v_trump_injunction_motion.pdf
https://drive.google.com/file/d/1HyX_1ngNRGIENcUDzUtUA_AA3rqMwhMF/view

日本だと、そもそも記者証を奪わなくても、メディア側が自発的に記者を入れ替える対応をするかもしれませんし、そうでなくても、政府側も記者証を取り上げるような行為に出ることはないかもしれませんね。

アメリカでは、ガチンコで戦い、今回の事件では政府側が暫定的に負けた、ということです。あくまで暫定的に、ですが、それでも大きなことです。

誰も救いの手を差し伸べてくれないとき、最後の砦はおそらく、法です。社会的な意味で、具体的な救済を生み出しうる最強の道具は「法」だからです。でも、僕らは本当に、法に頼って生きているのかというと、必ずしもそんなことない。そもそも、法を使って事案を解決しよう、そういう発想は希薄です。なんでもかんでも弁護士を立てればいい、そういうわけではないですけど、日本において最後の砦として法は機能しうるのか、それは問い直してみてもいいかな。

毎日のニュースに、法を使うヒントは隠れています。
皆さんも、探してみませんか。