2018年10月9日火曜日

オープンゼミの全2回を終えてー感謝あるのみ

2年生の皆様、現ゼミ生の方々、昨日はオープンゼミ2回目に来ていただき、本当にどうもありがとうございます。青学で4年目になりますが、あんなに多くの方々と一緒にやるオープンゼミははじめてで、凄く刺激的でした。現ゼミ生の努力がなければ、僕はオープンゼミの2回目を回避してスイスに飛び、今頃は認知症関連のカンファレンスに出席していたと思います。

2回目のオープンゼミは、1回目のオープンゼミとは色をがらっと変えて、会社で法律をどう使うのか、という観点から問題を作ってみました。実務家の方に現状を伺いながら、手探りで作りました。現ゼミ生にとっても、非常に扱いにくい問題だったと思います。なぜなら、会社のために法令やガイダンスを読んで何をするかなんて、法学部ではやらないから(笑)。普段、訴訟で勝つか負けるかとか、損害賠償責任を負うかとか、法理論を空中で戦わせているばかりですけど、生の事案にはそんな派手さはない。1つ1つの対応で、会社に利益を生み出せるようなアイディアを、法令やガイダンスに違反しない形で具体化していく、それだけです。会社によってアプローチは異なるでしょうし、まさに社員さんの能力が会社の将来を左右することになります。それを、ほんの少しでも感じて欲しかったのです。

新しい問題、答えがない世界でよりよい答えを探して競うゼミ、少しは楽しめたでしょうか。リーガル・エンターテインメントというと言い過ぎかもしれませんが、ゼミは、ゼミ生と僕で作り上げるもので、僕がやりたいことに皆さんをつきあわせるものではないです。知ってのとおり、ゼミにはいろいろなタイプのものがありますね。たとえば、輪読、判例評釈、論文を整理してある論点について議論するなどなど。僕は、そういう世界からゼミでは完全に離れたい、と思いました。研究のためとか関係なく、純粋にこんなゼミがあったら、就活や将来にとって少しでも役に立たないかな、法律を好きにならないかな、そう思って毎回、面白い最新の問題を探しています。なぜなら、実務の世界、現場に一度出たら、毎回が新しい問題に直面するからです。過去の案件を応用するといっても、二度と丸写しはできません。

ゼミ生には、法律の面白さを理解し、うまく使えるヒトになって欲しいです。学部生のころ、僕は法律が嫌いでした。今は大好きですが、当時は早く転部しよう、そう考えていたくらいです。嫌いになったのは、何が面白いのかまったく理解できなかったからです。ルールに事実を当てはめて、結論が出るとして、そこに面白さってあるのかわかりませんでした。今なら分かります。事実の集め方や評価はヒトによって違いますし、ルールの解釈も変わりうる。だとすれば、その事実やルールの扱い方、示し方、話し方で結論が変わり、会社や社会の未来が大きく影響を受けうる、ってことでしょう。しかも、最終的にはルールなんて必要があれば変えてしまえばいい。そう考えたら、法学も政治学も凄く面白い学問に思えました。

ゼミにはいろいろな学生がいてくれていい、というかいてくれた方が楽しいです。今、法律が嫌いでも好きになれるかもしれないし、コミニュケーションやプレゼンなんていくらでも上手くなります。大事なのは、やっぱり「センス」じゃないかな。事案に対してひたむきに、丁寧に、言葉を大事にして向き合えるかどうか。失敗しても、次回は反省して改善できるようなロブストな人間かどうか、僕は成績とかより、そっちをできる限り見たいです。

もう、応募がはじまっていますね。僕のゼミはまな板の鯉状態(笑)。あとは、結果を待って、土曜日の選考に臨みたいです。

最後になりましたが、個別ガイダンス、オープンゼミ2回分、そしてそれに至るまでの広報など、現ゼミ生にはただただお礼申し上げます。

すべてのプロセスを踏まえて、とくに他のゼミと十分に比較した上で、応募してくれた方々とお目にかかれるのを楽しみにしています。