昨日、オープンゼミの1回目が終わりました。
正確な数はわからないですけど、予想以上に多くの学生に来ていただき、ゼミを体験していただきました。お忙しい中、貴重な時間を割いていただき、心より深くお礼申し上げます。
チームごとの人数があまりに多くて、十分に議論しにくかったかもしれませんね。申し訳ございません。本当のゼミでは、あんなに多くの方々と一緒に議論することはありませんので、ご心配なく。より少人数のグループで、密な議論を短時間で仕上げ、プレゼンまで持っていくことになります。
法律問題は、スパッと1つの答えが見つかるなんてほとんどありません。今回は、公共政策というか、どちらかというと官僚や地方自治体の職員の立場から考えてみましたけど、複数の「解」から、事情に応じて1つの解が選ばれるだけで、そこに合理的な理由はほとんどない、と言うのが現実です。官僚と1度話せばわかります(笑)。どんな状況でも対応しうるように、複数の解を用意しておき、場面場面に応じてベストそうなカードを切り続ける、それだけです。今回は、法改正を必要とするのか、それとも法改正をしないで法解釈と実施基準の改訂で済ませるのか、という対立の構図をわざと作りましたが、実際にはどちらも採用されうると思います。もっとも、医療と法では、アクセスを高め、コストを低くし、しかもクオリティを高める法の使い方が望ましい、という大原則があります。どちらの解が、望ましいのでしょうね。難しい問題です。
ゼミで一番大事なのは、センス良く問題を処理し、解が複数になることを理解した上で、自分の与えられた立場から最善のものを選び、それが最善であることを皆に説得力のあるプレゼンで示せること。教科書の内容を覚えていても、成績がよくても、なかなかできない芸当をゼミでは学びます。そうでなきゃ、講義に加えてわざわざゼミを履修する意味なんてない、僕はそう思うのです。今まで見たことのない、法律問題を含む新しい事案に即座に対応できないなら、法学部卒の意味はない、そう思います。
3年生にとっては、多くの2年生を交えてグループディスカッションをこなし、プレゼンまで導く大変な作業だったと思います。席の配置、3年生がどこに座るか、どうやって2年生に意見を言って貰うのか、プレゼンでどこをアサインするのかなどなど、腕の見せ所は満載でしたけど、満足のいくリーダーシップを発揮できましたでしょうか?
青学の法学部にはいろいろなオープンゼミがありますから、是非、比べてみてください。
比べてみて、はじめて僕のゼミの良さも悪さも理解していただけると思います。
90分1本勝負を2年間必死に繰り返した先に、皆さんの夢が叶うような出口を用意できたらな、そう思っています。法律の知識もプレゼンも、所詮は道具。夢を叶えることの方が大事ですから。
来週は、別な問題を用意して皆様をお待ちしています。お時間の許す方で、関心のある方は是非、オープンゼミ2回目にお越しいただければ幸いです。