2016年8月22日月曜日

ゼミ担当者の紹介

ゼミを担当するのは、青山学院大学法学部でアメリカ法を教えている者です。

東北大学法学部、一橋大学法学研究科修士課程を経て、アメリカのセントルイス(ミズーリ州)にあるワシントン大学ロースクールでLL.Mを修了し、東京大学で博士号を取得して、現在、主に青山学院で働いています。

専門は、医療分野の法政策ですが、それ以外にも最先端の技術と法規制について研究しており、最近では自動運転自動車の規制、遺伝子検査の規制、医療ロボットの規制についても研究しています。

もともと、医薬品や医療機器の製造物責任から研究をスタートしていますが、医薬品や医療機器が製品化されるまでには、製造物責任以外にも臨床試験、市販前承認/市販前確認/認証、市販後調査、保険収載/償還など各種ステージで法規制がかかわってきます。そのため、最初は製品の安全性を高めていくための法政策として、製造物責任と行政規制に関心を持っていたのですが、むしろ、医療関連製品の創出のための法規制一般へと関心が広がりつつあります。

医療分野は、医師という専門家が介在する領域で、必ずしも法的な規制が強化されればよい、という話ではありません。法は、ヒトの病気を治せませんし、瀕死のヒトの命を救うこともできません。法が可能なのは、医師や医療従事者に、さまざまな医療技術/医療関連製品を駆使して、診断、治療、そして予防サービスを人々に提供してもらいやすい環境を生み出すこと、ただそれだけに過ぎません。医療における法の力には限界があり、万能ではないということです。

人間にとってかけがえのない健康を支える医療、そして医療に関係する法について、皆さんとゼミで学べるのを楽しみにしています。



                         Photo by 今祥雄