1947年(昭和22年)5月3日、日本国憲法が施行されたのですね。ウィキペディアのあるように、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)の第2条では、「憲法記念日 五月三日 日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」とあります。でも、憲法が国の成長にどんな形で寄与するのかって考えたことありますか?平和だから国が成長した、それはそうかもしれないけど、逆に平和でも経済成長率は必ずしも高まらない、という悲しい現実もあります。
今、アメリカ合衆国憲法の統治機構論を教えていて、本当に寄与しているかどうかはともかく、アメリカだったら合衆国憲法におけるチェック・アンド・バランスと権力分立こそが国の(健全な)成長を支えてきた、と信じている人は多いでしょう。幾度の改正を経てもなお、アメリカ合衆国の礎として法的争いを最終的に解決するのが、合衆国憲法です。
チェック・アンド・バランスと権力分立は、日本国憲法にも導入されている考え方です。いわば「常識」です。それ自体は疑いようもない。でも、どのくらい本気で大事だと考えられているでしょうね。日本国憲法を丁寧に読めば、チェック・アンド・バランスと権力分立がアメリカのそれらとはぜんぜん違うものだということはわかります。機能の仕方も、使われ方もぜんぜん違います。よい悪いは別にして(笑)。
問題は、常識を常識として問い直さないでいると、本質的な違いにずっと気づかないで終わってしまうことです。たとえば、条約が法律に勝るというのも、日本で普通でもアメリカでは違います。合衆国憲法では、条約と連邦の制定法は同列。後法が前法を破るだけです。もちろん、条約締結に関する内閣と国会との関係は、合衆国憲法における大統領と上院との関係に似ていますが、それでも衆議院の優越のような発想は合衆国憲法にはないのです。
6月からは就活が本格化というか佳境を迎えますね。常識に踊らされず、常識を常に丁寧に問い直す真摯な態度が、皆さんの成長を生み出すのではないかなって僕は思います。
実は今朝、ヤフーの記事を読んでいて、統治機構論や権力分立についていろいろと考えさせられました。日本国憲法のもとで、国の成長を止めているないし鈍化させているのは何なのかと。なんとなく答えは見つかったのですけど、まだ仮説なので(笑)。
https://news.yahoo.co.jp/feature/1313