プレゼンテーションで相手を知ることの次に大事なのは、自分が持っている武器を十二分に理解して活用することです。ここでいう武器は、本当の武器ではなくて(笑)、事実関係や関連するデータ、自分に有利なルール、そしてルールに事実などを当てはめたときの予想される結果などです。実は、この武器を理解すること→武器を活用するところは、法学部でも、それ以外の学部でも大学院でも、どこに行ってもなかなか教えて貰えないところだと思います(というか、実務的すぎて教えられない、というのが本音)。
塩野誠「プロ脳のつくり方」(ダイヤモンド社・2007年) という本が、一番わかりやすいと思います。一度読んでみてください。面白いですから。
なぜ、「自分が持っている武器を十二分に理解して活用すること」が難しいかと言えば、皆さんの経験の中にないお話だからです。
自分に有利な事実関係やデータがないならどうします?僕なら、まずは改めて必死に探しますね(笑)。だって、それらの事実関係やデータは、自分が望む結果とは関係なく集められたものに過ぎません。改めて目的に照らして探し直してみます。
次に、そうやって探した事実関係やデータが少ない、特に有利になるものが少ないとして、どうしましょう?ねつ造はできません(笑)。他方、自社に不利な内容の事実やデータからだけでレポートを書いてもまったく評価されるはずもない。そういうときは、事実関係やデータが少ない理由を問い直してみます。自社にも悪い点があったのだとは思いますが、それ以外に何か理由はないのか、法令上の義務や、他社の取り扱いや対応などとも比較しながら考えていきます。
そこまでが下準備です。こうして集められた事実関係、データ、事実関係やデータが示す事実の背景事情を理解してから、適用されるルールに当てはめていきます。望ましい結果にならないなら、ルール自体を批判しても良い。
法学部にいても、そんなことぜんぜん考えませんよね?アメリカの弁護士ドラマを観てみたら、毎回、そんなことの連続ですよ(笑)。
事実やデータの取り扱いは大事です。プレゼンテーションの基本中の基本。
ぜひ、理解してください。
This blog is mainly providing useful information to students who are interested in the seminar on law and policy in healthcare.
2017年11月12日日曜日
プレゼンはすべてを変えるかも(1)
ゼミでプレゼンテーションの練習をしていると、ただ「なあなあ」にこなしているヒトが多いですけど、非常に勿体ないです。プレゼンテーションは、せっかく考えたり議論した内容を相手に伝える技術なので、もしそれを使いこなせなければ、いくら素晴らしい中身の考えや議論でも無駄になります。
プレゼンテーションに極意なんてないのですが、基本はあります。たとえば、Netflixで放映されている「グッドワイフ」という弁護士のドラマがありますけど、当該ドラマに出てくる弁論技術は、プレゼンテーションとしても素晴らしいです。基本に忠実です。一度、ご覧ください。
プレゼンテーションで大事なことの第1は、相手を知ること。どんな場所で、どんな相手に何を伝えたいのか。伝えたいことをそのまま伝えても、相手はそのまま理解してくれないかもしれないでしょう。伝えたいコアなメッセージを、場面や相手に応じて少し変えていく必要があります。もちろん、臨機応援にです。準備はしていても、その場その場の反応に応じて瞬時に変えていくことが大事です。
ゼミでは、シミュレーションやロールプレイを行い、ゼミ生を相手にではなく、さまざまなクライアントを相手にプレゼンテーションを考えて貰うようにしています。どんな場面におかれているどんなクライアントなのかをより具体的に想定し、そこからプレゼンテーションの内容や順序を組み立てていきます。
事前に相手をよく知ることは、交渉術でも基本中の基本。プレゼンテーションでも、その点は同じです。交渉など必要ないくらい、相手に納得して貰うのがいわばプレゼンテーションですしね(笑)。
プレゼンテーションに極意なんてないのですが、基本はあります。たとえば、Netflixで放映されている「グッドワイフ」という弁護士のドラマがありますけど、当該ドラマに出てくる弁論技術は、プレゼンテーションとしても素晴らしいです。基本に忠実です。一度、ご覧ください。
プレゼンテーションで大事なことの第1は、相手を知ること。どんな場所で、どんな相手に何を伝えたいのか。伝えたいことをそのまま伝えても、相手はそのまま理解してくれないかもしれないでしょう。伝えたいコアなメッセージを、場面や相手に応じて少し変えていく必要があります。もちろん、臨機応援にです。準備はしていても、その場その場の反応に応じて瞬時に変えていくことが大事です。
ゼミでは、シミュレーションやロールプレイを行い、ゼミ生を相手にではなく、さまざまなクライアントを相手にプレゼンテーションを考えて貰うようにしています。どんな場面におかれているどんなクライアントなのかをより具体的に想定し、そこからプレゼンテーションの内容や順序を組み立てていきます。
事前に相手をよく知ることは、交渉術でも基本中の基本。プレゼンテーションでも、その点は同じです。交渉など必要ないくらい、相手に納得して貰うのがいわばプレゼンテーションですしね(笑)。
2017年11月4日土曜日
苦労しないと得られないものは必ずある
今日は、学園祭ですね。ゼミ生の案内で、ある催しを見学しました。とても素晴らしかったです。毎日かはわからないですけど、日々の厳しい練習を重ねて、本番を迎えているんだろうな、と思いました。久しぶりに感動しました。
ゼミでは無駄をすべて排除して、美味しいところだけを1時間半に凝縮しています。それ以外のサブゼミはないですし、予習復習も基本的に求めていません。それは、「楽」かもしれないですし、「お得感満載」かもしれないですね。
ただし、美味しいところだけをつまみ食いしていても、本当に美味しいものにはありつけないです。というか、美味しいことにも気付かないかもしれません。いろいろなチャレンジをして、失敗もして、試行錯誤の先にしか見えない美味しさが必ずあります。たとえば、登山をしないで、チャーター機やヘリで山の上から日の出を見てもいい。美しい景色を見ることができます。でも、それは登山をして見ることのできる景色とはぜんぜん違うものです。苦しんだり、怪我をしたり、そんな試行錯誤の先に見える景色は、おそらくもっと美しいのではないでしょうか。
ゼミ生の皆さんには、ゼミではできない苦労や試行錯誤をどこかで経験して貰いたいです。僕のゼミは、無駄をそぎ落としてしまった結果、重要なプロセスをすっ飛ばしています。それは楽かもしれないし、お得かもしれないですけど、実はお金では買えない価値というか、貴重なプロセスを捨てているんだということに、ぜひ気付いて欲しいと思います。
今日、案内をくれたゼミ生には感謝します。
日々の生活で忘れている価値を思い出させて貰いました。
催しに参加していた学生は皆、とっても輝いていました。僕にはない輝きだと思います。
ゼミでは無駄をすべて排除して、美味しいところだけを1時間半に凝縮しています。それ以外のサブゼミはないですし、予習復習も基本的に求めていません。それは、「楽」かもしれないですし、「お得感満載」かもしれないですね。
ただし、美味しいところだけをつまみ食いしていても、本当に美味しいものにはありつけないです。というか、美味しいことにも気付かないかもしれません。いろいろなチャレンジをして、失敗もして、試行錯誤の先にしか見えない美味しさが必ずあります。たとえば、登山をしないで、チャーター機やヘリで山の上から日の出を見てもいい。美しい景色を見ることができます。でも、それは登山をして見ることのできる景色とはぜんぜん違うものです。苦しんだり、怪我をしたり、そんな試行錯誤の先に見える景色は、おそらくもっと美しいのではないでしょうか。
ゼミ生の皆さんには、ゼミではできない苦労や試行錯誤をどこかで経験して貰いたいです。僕のゼミは、無駄をそぎ落としてしまった結果、重要なプロセスをすっ飛ばしています。それは楽かもしれないし、お得かもしれないですけど、実はお金では買えない価値というか、貴重なプロセスを捨てているんだということに、ぜひ気付いて欲しいと思います。
今日、案内をくれたゼミ生には感謝します。
日々の生活で忘れている価値を思い出させて貰いました。
催しに参加していた学生は皆、とっても輝いていました。僕にはない輝きだと思います。
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