ゼミを開いていて感じるのは、ゼミ自体の時間がとても短いということです。僕のゼミでは、予習や復習よりもむしろその場で考えて、プレゼンに仕上げる能力を磨きます。そのため、その他の時間に別途交流を持たない限り、学生間で時間を割く必要がありません。学生にとっては、1時間半が貴重な交流の時間になります。僕としては、1時間半一本勝負のつもりで毎回ゼミを開いていればよいのですが、ゼミで友人を作りたいと考えている学生にとっては物足りないかもしれません。
法律の勉強は、正直、地道なものです。さまざまな判例や学説を覚えて、別な案件に応用できるようにしておく必要があり、そこでは一人である程度本を読んだり、勉強することが欠かせません。大学生の皆さんにとっては、ただただ苦痛の時間かもしれませんね。
しかしながら、実際の社会では、法律は勉強するものではなく、調べて使うものです。企業でもどこでもですが、法律を1人で学ぶというより、法律について議論したり、案件について将来のあらゆる可能性を想像する必要があります。法理論を展開するだけでなく、相手方と交渉も求められたりします。そこでは、多くの人とのやりとりに多くの時間が割かれることになるのです。要するに、実社会では一人で法律を学んでいてもまったく無意味ということです。
ゼミでは、グループワークを通じて、他のヒトとの議論や協力の仕方を学びますが、ゼミの時間以外にも、一緒に何かをやってみたら面白いと思います。ゼミの枠の中ではなく、外に出て、一緒に新しいものを生み出したり、新しいアイディアを議論することこそ、大学生にとって極めて重要なことだと思います。就職活動におけるエピソードとして、これ以上のことはないかもしれません。
ゼミやゼミ以外での活動は、確かに大学の成績には綺麗に反映されないかもしれませんが、皆さんの法的なセンスや生きる力を劇的に変える可能性があります。一人で勉強するだけではなく、ぜひ、他のヒトとの時間も大事にしてください。僕が大学生だったころにできなかったことの1つです。
ゼミの自体時間は短いです。2年間を通じても、僕らの時間は90時間。意外とあっという間ですよ(笑)。
This blog is mainly providing useful information to students who are interested in the seminar on law and policy in healthcare.
2016年11月25日金曜日
2016年11月23日水曜日
ゼミは就活にとって意味がある?
このゼミは医療と法に関するものですが、就職活動にとっても一定の意味があると思っています。
どんな意味があるかといえば、それは自分の行きたい会社にとって自分の魅力を最大限引き出し、説得力のある話をする能力を磨けるからです。
自分の行きたい会社にとって自分の魅力を最大限引き出し、説得力のある話をする能力を磨く、というのはどういうことでしょう?
ゼミでも法律の講義でも、僕らはルールを覚え、そのルールに事実を適用してある結論を導き出しますが、就職活動では何がルールかわかりますか?もちろん、各企業によって違うはずですが、各社の採用方針や欲しい人材像を知ることができれば、それが僕らがよく扱っているルールに近いです。より一般的には、「ある人が企業にフィットする人材であって、かつ、企業に貢献できる人材であれば、その人は内定を取りやすい」とは思いますが、これだと曖昧すぎますね。
企業分析は、結局、各社の採用方針を把握し、自分が働きたい企業像と合うのかどうかはもちろん、自分が採用方針のどこにフィットし、どこがフィットしていないのかを知ることができる貴重な機会です。
ルールが分かれば、あとは事実を積み上げていけばよいですね。自分が採用方針を満たしていること、満たしているかとを示すエピソードがあること、他のヒトではなく自分が採用されるとどんな点が企業にとって望ましいのか、そのような流れでプレゼンテーションを作ることができます。エントリーシートも同じです。
学生の皆さんが誤解しているのは、上手く話すことで採用されるのではないか、という点ではないでしょうか。企業の採用担当の方と話して率直に感じるのは、話し方だけでなくヒトの「本質」を見ていらっしゃるということです。「本質」とは究極、「大学生活でどのようなことをしてきたか」です。それは、言い換えれば、採用方針に適用できるエピソードがどれだけあるかです。そのエピソードが面白ければなおよいですが、面白くなくても、1つ1つのエピソードから何を考え、どう行動してきたのか、その行動を踏まえて就職したら何を成し遂げられると思っているのかを知りたいはずです。
このゼミでは、プレゼンテーションの技法はもちろんですが、エピソード作りにも協力できたらと思っています。大学生活の中でゼミが占める割合は小さくても構わないですが、あなたの人生をより良い方向に変えるきっかけを提供できるようなゼミでありたい、そう考えています。
どんな意味があるかといえば、それは自分の行きたい会社にとって自分の魅力を最大限引き出し、説得力のある話をする能力を磨けるからです。
自分の行きたい会社にとって自分の魅力を最大限引き出し、説得力のある話をする能力を磨く、というのはどういうことでしょう?
ゼミでも法律の講義でも、僕らはルールを覚え、そのルールに事実を適用してある結論を導き出しますが、就職活動では何がルールかわかりますか?もちろん、各企業によって違うはずですが、各社の採用方針や欲しい人材像を知ることができれば、それが僕らがよく扱っているルールに近いです。より一般的には、「ある人が企業にフィットする人材であって、かつ、企業に貢献できる人材であれば、その人は内定を取りやすい」とは思いますが、これだと曖昧すぎますね。
企業分析は、結局、各社の採用方針を把握し、自分が働きたい企業像と合うのかどうかはもちろん、自分が採用方針のどこにフィットし、どこがフィットしていないのかを知ることができる貴重な機会です。
ルールが分かれば、あとは事実を積み上げていけばよいですね。自分が採用方針を満たしていること、満たしているかとを示すエピソードがあること、他のヒトではなく自分が採用されるとどんな点が企業にとって望ましいのか、そのような流れでプレゼンテーションを作ることができます。エントリーシートも同じです。
学生の皆さんが誤解しているのは、上手く話すことで採用されるのではないか、という点ではないでしょうか。企業の採用担当の方と話して率直に感じるのは、話し方だけでなくヒトの「本質」を見ていらっしゃるということです。「本質」とは究極、「大学生活でどのようなことをしてきたか」です。それは、言い換えれば、採用方針に適用できるエピソードがどれだけあるかです。そのエピソードが面白ければなおよいですが、面白くなくても、1つ1つのエピソードから何を考え、どう行動してきたのか、その行動を踏まえて就職したら何を成し遂げられると思っているのかを知りたいはずです。
このゼミでは、プレゼンテーションの技法はもちろんですが、エピソード作りにも協力できたらと思っています。大学生活の中でゼミが占める割合は小さくても構わないですが、あなたの人生をより良い方向に変えるきっかけを提供できるようなゼミでありたい、そう考えています。
Photo taken at a hotel, located at Otemachi, Tokyo, JAPAN
2016年11月21日月曜日
覚えるのではなく調べて使える法学へーlegal research and writing
授業では提供できないゼミの魅力として、法の使い方を学べる点を挙げることができます。講義では、どうしても教えるべき内容が多いこともあって、教えられたことを覚えて試験で吐き出して終わり、その繰り返しになりがちです。教えてもらった内容をどう使えるのかについてまでは、学べないことがほとんどだと思います。
しかしながら、実際の世界ではそのような知識はまったく使い物になりません。たとえば、せっかく覚えた内容はたった1年で陳腐化することがあります。会社法が好例です。それに、重要判例を覚えてみても、その事案と完全に一致する事案が再び起こることなど、皆無だからです。だからこそ、ゼミでは法(法令、判例、学説など)を覚えるのではなく、むしろ基礎的な事項をヒントにして必要な情報を調べて使えるようなセンス、というか基本的なウィズダムを皆で学びたいのです。
世の中のありとあらゆる事案は、法的な問題と言っても過言ではありません。法の欠缺といわれる領域は確かにありますけど、そのような領域でも、ガイドラインや指針が運用上、重大な影響を及ぼしていることがあります。要するに、どんな問題でも法的な論点が含まれうる、ということです。
ゼミ生には、何か問題が起きたときに、法的な視点ではこの事案をどのように処理できるのか、特に自分のクライアントや自社にとって最善の利益に適うような処理の方針が何かさらっと語れるような、語れないなら調べてメモを書けるような人材になって欲しいです。
法学の面白さは、答えが1つに見えて、実のところぜんぜんそうではないことです。法解釈と事実関係の組み合わせによって、無数の解を導き出すことができます。そのような複数の解が存在する場合に、自分や自分のクライアントの押す解がより正しいことについて説得力のあるメモを書いたり、プレゼンができるのか、それこそ法学で磨くべき能力だと信じてやみません。
プレゼミは半期、本ゼミは約2年しかないですが、その間で可能かなぎり、ゼミ生の法的なセンスを磨き上げられたらと思っています。
Photo taken at a hotel located in Singapore, in 2016
2016年11月16日水曜日
医療と法を学んで何になる?-creative legal thinking for clients
このゼミは、医療と法を考えると題するものですが、別に医療分野で働く人を念頭に置いているわけではぜんぜんありません。医療は面白い題材として使っていますが、どの分野で活躍する学生にとっても、意味のある内容にしたいと思っています。
法的な問題はすべてパズルで、このゼミではこのパズルを自由自在に解く方法を学びます。パズルと言っても、ジグソーパズルとは違って、「言葉」を使った「高度なパズル」です。このパズルは、法学部で学んだり、ロースクールを修了しないと、そんなに簡単には扱えないのが特徴です。具体的にいえば、世の中のルールを見い出し、そのルールに事実を当てはめて、自分や自分の仕えるクライアントにとって望ましい結論を導き出していくパズルなのですが、このパズルを解ける点で、法学部の学生は他学部の学生よりも強みがあるのではないでしょうか。
このゼミで学ぶパズルの解き方は、ルールが憲法でも法令でもガイドラインでも構いませんし、社内規定でも応用可能です。当然ながら、医療に関係していても関係していなくても応用することができます。極めて重要なのは、ルールは「言葉」から作られていて、言葉の意味には必ず一定の幅があります。また、ルールには制定される目的があって、その目的の手段として使われます。さらに、言葉の幅は時代によって変わることがあり、目的からも変容していくことが十二分にあり得ます。さらに、法令であれば、最高裁が最終解釈権限者になりますが、他のルールだと誰かが最終解釈権限者になります。そして、最終解釈権限者が下した判決ないし判断を確認して、その射程がどこまでかを検討することになります。
最終解釈権限者が下した判決ないし判断を確認して、その射程がどこまでかを検討するのは、もっとも重要と言っても過言ではないです。ある判決や判断が下される前提となる事案の事実を把握した上で、将来起こりうるないし目の前の事案が過去の事案と同じなのか(同じルールが適用される程度似ているのか)、それとも別なのかを見極めなければなりません。裁判官のようにではなく、クライアントの最善の利益のための射程分析ができるかどうかは、きっと皆さんの将来を大きく左右すると思います。
ちなみに、このゼミではだらだらと報告書をまとめたり、長いレジュメをまとめるのではなく、ポイントを絞ってリーガルメモをまとめたり、プレゼンテーションを行う技術を磨きます。パズルが上手く解けてます、ということがわかる文章やプレゼンこそ重要だと考えています。
法的な問題はすべてパズルで、このゼミではこのパズルを自由自在に解く方法を学びます。パズルと言っても、ジグソーパズルとは違って、「言葉」を使った「高度なパズル」です。このパズルは、法学部で学んだり、ロースクールを修了しないと、そんなに簡単には扱えないのが特徴です。具体的にいえば、世の中のルールを見い出し、そのルールに事実を当てはめて、自分や自分の仕えるクライアントにとって望ましい結論を導き出していくパズルなのですが、このパズルを解ける点で、法学部の学生は他学部の学生よりも強みがあるのではないでしょうか。
このゼミで学ぶパズルの解き方は、ルールが憲法でも法令でもガイドラインでも構いませんし、社内規定でも応用可能です。当然ながら、医療に関係していても関係していなくても応用することができます。極めて重要なのは、ルールは「言葉」から作られていて、言葉の意味には必ず一定の幅があります。また、ルールには制定される目的があって、その目的の手段として使われます。さらに、言葉の幅は時代によって変わることがあり、目的からも変容していくことが十二分にあり得ます。さらに、法令であれば、最高裁が最終解釈権限者になりますが、他のルールだと誰かが最終解釈権限者になります。そして、最終解釈権限者が下した判決ないし判断を確認して、その射程がどこまでかを検討することになります。
最終解釈権限者が下した判決ないし判断を確認して、その射程がどこまでかを検討するのは、もっとも重要と言っても過言ではないです。ある判決や判断が下される前提となる事案の事実を把握した上で、将来起こりうるないし目の前の事案が過去の事案と同じなのか(同じルールが適用される程度似ているのか)、それとも別なのかを見極めなければなりません。裁判官のようにではなく、クライアントの最善の利益のための射程分析ができるかどうかは、きっと皆さんの将来を大きく左右すると思います。
ちなみに、このゼミではだらだらと報告書をまとめたり、長いレジュメをまとめるのではなく、ポイントを絞ってリーガルメモをまとめたり、プレゼンテーションを行う技術を磨きます。パズルが上手く解けてます、ということがわかる文章やプレゼンこそ重要だと考えています。
Photo taken at the Haneda Airport, especially 2nd Terminal, Tokyo, JAPAN
Halloween party in 2016
今年のハロウィンパーティは、学生企画のビンゴと仮装ショーが行われました。学生だけで企画して、皆で楽しんでやり遂げる経験は、社会に出てからも極めて重要だと思います。ゼミでは今後、スポーツやその他の活動を通じて、自分で企画してやり遂げる経験を生み出していきたいと思います。乞うご期待です。
パーティを開いて感じるのは、大人数でコミュニケーションをとることの大変さです。話す技術だけではなく聞く技術も磨いて、よりインタラクティブなゼミを目指したいです。
パーティを開いて感じるのは、大人数でコミュニケーションをとることの大変さです。話す技術だけではなく聞く技術も磨いて、よりインタラクティブなゼミを目指したいです。
Photo taken at 17th Building for AGU, Shibuya, Tokyo, JAPAN
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