2019年10月14日月曜日

負けそうな案件で挽回の道筋を見つけて、実行できる?

ゼミの応募が締め切られました。たくさんの方々に応募していただき、本当にどうもありがとうございました。選考前なので、あまり、僕の思いは書けないのですが、心から感謝申し上げます。

週末に「Goliath:ビリー・マクブライド」のサードシーズンを見終えて、いろいろと考えさせられました。クライアントの最善の利益を叶えているのかどうか、それは常にチェックしなければならない。独りよがりにならず、一生懸命にクライアントの利益を具体化し、実現する。それがもし、クライアントにとって望ましくなければ、やはり、この案件を受けてはいけないし、別な形を模索しなければならない、ということです。

僕がゼミで意識しているのは何だろうって考え尽したとき、やはり、究極、負けそうな案件でどこまで挽回できる法理論、法解釈、法実務を見出せるのか、それを学生に学んでほしいんだな、って気づきました。そこには、抽象的だったり、中立的な法はなく、自分の側に「法」と「事実」を手繰り寄せて、どうせ負けるにしても最小限の負けを、もし勝てるなら何とかして合法的に勝つ方法を見つけ出す、そういう営みです。知り合いの弁護士に聞いたら、そんなの、司法修習所でも教えてないって(笑)。経験によって初めて培われるものだって言ってました。でも、僕は、これを少しでも学べないなら、法学を勉強する意味ってほとんどない気がします。

プレゼミでさよならになる学生にも、最低限、法律を学ぶ楽しさを知ってもらいたい。それができたら、僕の役割は終わりですね(笑)。勝てる事件か負ける時間かを客観的に分析できるのは、ある意味で当たり前。それができないよりは、できた方がいい。でも、その先にこそ、法律の面白さはある。それを知って、プレゼミを終えたいなって思いました。

2019年10月1日火曜日

難しければ、やめる?

昨日は、第一回目のオープンゼミでした。貴重な時間を割いてお越しいただいた皆様、どうもありがとうございました。

正直、これ以上ないくらい難しい問題にしたかもしれません。大学院生並みのリーガルリサーチの問題。でも、ニュースで取り上げられた、まだ誰も答えを知らない問題でも、自分で調べたら答えに近づけるんだ、っていう経験をしてもらいたかったのです。それが、僕のゼミそのものだから。

合わない人が来ても辛いし、ゼミ、時間の無駄になっちゃいますよね(笑)。そういう人は、延々とレジュメを作り、延々とディベートをすればいい。僕は、そこに価値を感じていないんです。申し訳ないのですけど。僕は、調べて、自分の頭で考えて、自分の属する組織のために最善を尽くせる人になってほしい。違法な行動があるなら、それをうまく回避できる人になってほしい。そう願っています。今の法学教育の先に、それができるようになるのかって考えてしまうのです。

僕はアメリカのロー・スクールに幸運にも行かせていただいて、だから、自由に考えられるようになりました。判例や学説に縛られすぎないで、それらを単に利用する。それってなかなか難しい。

難しいからやめよう、別なゼミに行こうというのはぜんぜんあり。その方が幸せかもしれないです。ぜひ、他のゼミも吟味してみてください。

昨日は、本当にどうもありがとうございました。