2017年3月30日木曜日

講義は単位取得の楽さではなく、将来を考えて選択してみては?

講義の選択は就職を必ずしも左右するわけではないですけど、単位取得の楽さで決めるのはもう止めたらどうでしょう?どうせ出席も勉強もしない単位を取って何になるって、思いませんか?

誰の講義を選択して卒業してもいいです。ただ、せっかく多額の授業料を払っている以上、より価値ある単位に投資してみてはどうかな、って思います。

青学を卒業しても、それだけで付加価値が付くわけではないですし、就活が有利になるわけでもない。そうだとしたら、講義でもゼミでも、サークルでも部活でも、少しでも自分の将来にとって価値ある活動に時間を割いて欲しいです。

聴いてよかった、受講してよかった、最後にそう思って貰えるような講義やゼミを提供するために、お気づきの点があれば何でも指摘していただければと思います。

そういえば、ある講義について「簡単な内容を難しく質問している」というご指摘をいただきました。決してそういうつもりはないのですけど、質問にどう答えるかって就活だけでなく人生にとっても重要なので、うまく切り返す方法を学んでいただけたらと思います。わからなくても良いですし、最終的に回答できなくても構わないので。


 (Photo taken in Den Haag, Netherlands)


青学で3年目の勝負

2017年度、僕は青学で3年目を迎えます。3年間で1つの勝負、成果を出せなければ未来はない、そう思っています。講義とゼミで、これまでにない成果を出したいです。

成果というのは、もちろん、学生さんの満足度の向上であると同時に、アメリカ法や医事法を通じて、実社会において「法」を活用してクライアントに利益をもたらすような考え方をしっかりと習得してもらうことです。それに尽きます。

受講者数にかかわらず、全力で臨みます。
出席はカウントしませんが、成績を取りたければ、出席した方が望ましいですし、試験で手加減はしません。普通の問題しか出題しないからです。過去問を事前に示した上、試験で問われる知識を確認する回も設けたいと思います。

単位を取れればよいだけの学生にとってはうざいだけ(笑)、かもしれませんが、僕もお金を貰って教えている身。最善を尽くしたいです。

2017年度が学生の皆さんにとって有意義で実り多き1年になりますように。

(Photo taken during a flight from FRA to AMS)

2017年3月18日土曜日

2017年度の入門演習

2017年度の入門演習にたくさんの学生から応募をいただいたようで、深くお礼申し上げます。僕の入門演習は、そもそも、開講時間が遅く設定されていて敬遠したい学生が多いはずです。それなのに、たくさんご応募いただいたようで、本当に申し訳ない気持ちでおります。もし、選考から漏れてしまっても、どうか気になさらずに。僕の場合、講義でも、ゼミのような雰囲気は味わえるようにしていますし、講義には講義の良さがあるはずなので。また、もしよかったら、入門ではなく本ゼミ(普通の演習)の方に再度ご応募していただければと存じます。

2017年度、皆様とお目にかかれるのを楽しみにしております。See you soon!
(ちなみに、2017年度の入門演習の構成は、男性6名と女性10名の計16名となりました。)






(All photos taken in Hong Kong, China in 2017)

2017年3月4日土曜日

話し相手も暇じゃない!?

誰かと話すとき、おしゃべり以外ではちゃんと事前に考えて話してますか?相手も暇じゃないかもしれないですし、ちゃんと事前にストラクチャーを考えて話しません?結論を最初に、理由は後に。難しい話の時は、難しいお話(簡単ではないお話)なんですけどって前置きして話すと、印象がぜんぜん違いますよ!

テレビのコメンテーターだって、忙しくなる前にはきっと、ぜんぶのトピックについて事前に準備してどんな気の利いたコメントしようかな、事故らないコメントしないとなって考えているはず。コメンテーターじゃない僕らは、もっと気をつけないとうまくはなせませんよね。きっと。

一番良いのは、自然に気の利いたお話ができることですけど、そういうレベルの話はまた別の機会に。


(A photo taken around Nihonbashi area in Tokyo, in 2017)

相手方の気持ちや議論を予測しよう

法学部でなくても当然すべきですが、自分でこうしたいとか、これが正しいと思って話す時には、事前に相手方を徹底的に分析して、相手がどう考えるのか、相手が何かを言ってきたらどう反論できるのかを検討しておくべきです。

法学部にいて法律問題に答えがない、って聞いた瞬間に何を言ってもいいんだ、正解なんだって勘違いしてしまう学生がいますけど、ぜんぜん違いますよ。あるルールに事実を照らしたときに自分はAだと思うとします。相手は、A以外だと考えるかもしれません。同じ事実関係でも、関連事実の評価が異なるのかもしれませんし、自分がまったくカウントしていない事実を関連事実として重大視しているかもしれないです。そもそもルールの解釈が異なっているのかもしれませんしね。このような状況は、実務ではよく起こりますけど、答えがどちらでもよいなんてことはなくて、やはり、自分に有利な結果を得たいのが普通。どうします?

法学部にせっかく在籍しているなら、相手が展開してくる議論を先取りして潰してしまうことくらい考えましょうよ。相手は相手で、あなたの議論を予測して潰してきます。だって、それが法律論というか、ビジネスでは普通のことですから。相手の議論がもっともだ、と一応認めておきつつ(最初から否定しても構いませんけど、それだと相手が怒り出すかも)、しかし、こんな問題があって後からこんな重大な影響が出てくると不都合だから、今回はこの結論がベストなんだって言えた方が、明らかに説得的ですよね。

ゼミや講義で、さまざまな法律の解釈や判例を暗記するのは大事ですけど、暗記しても使えなければ意味がないです。はっきりいって無駄です。使えるというのは、諳んじて話せればよい、というのではありません。自分の周りにある法律問題を解決するのに、知識を応用できることを言っています。

どんあゼミに入ってもよいですし、どんな講義を履修してもよいのですけど、相手の気持ちや議論を予測してみたら、法律のお勉強はもっと楽しくなりますし、実務に出てからも活躍しやすくなると思います。

(A photo taken in Boston, MA, U.S.A in 2017)

2017年3月3日金曜日

法学部で僕がしたい授業&ゼミ

今のままでは法学部に未来はない、そう思います。法科大学院ができて、法曹養成の機能がそちらに大幅にシフトし、予備試験対策には予備校通いがベターである以上、法学部が生きる道は限られています。公務員対策をするとか、資格試験を受けさせるとかはどこの大学でもしてるかもしれませんが、法学部の将来像については、実のところあまり真面目に議論されていません(笑)。法学部に入ってくれた学生の皆さんには、少なくとも僕のゼミに入ってくれた学生には、法学部生である意味を最大限に享受して貰いたい、そう思ってここに書いてみます。

大学の法学部にどんな価値があるでしょう?大学の法学部で法律を学んでも、資格はまったく得られません。法律の知識を得られる、しかも一般の人よりはマシな程度に、それが現実です。また、○○大学法学部卒という肩書きだけで企業に入って活躍できる時代はもうとうの昔に終わっています。たとえ入社できても、先はそんなに甘くないです(笑)。偏差値が他学部より高いとか、頭がいいイメージとかどうでもよくて、法学部の価値ってそんなものです。

法学部の価値は、この世の中にあるありとあらゆるルールを最大限に活用して、自分や自分が所属する機関に最大の利益をもたらすような能力を身につけさせることにある、と思います。リーガルマインドとか、横文字はさて置き、それはどんな世界でも、資格に関係なく活用できます。ルールのない世界はこの世にはなく、例外のないルールはないのですから(笑)。

この世界では、ルールがいつでもどこでもはびこっています。ルールのない世界はない、と思います。「存在しない」ことの証明は「悪魔の証明」で絶対に不可能ですけど、おおよそどんな世界にも何かしかのルールはあるはずです。憲法だろうが条約だろうが、法令、条例、ガイドラインだろうが、社内規定だろうがサークルなどのグループ規約だろうが、全部「ルール」です。ルールがある限り、その解釈が問題になり、解釈次第である案件の結論に大きな影響が出ます。皆さんは、解釈を駆使して自分や自分の周りの人に利益をもたらすことができますか?

法学は言葉を駆使する学問ですが、大事なのはルールに基づいて言葉を駆使する点です。法学ではただ言葉を使うのではなく、ルールに照らして使うのです。なければ作ってもいいし、悪いルールなら変えてしまった方がいいかもしれない。ルールの周りで誰よりも言葉を大事にして、相手を説得する能力を発揮する、それが法学部生の強みだと僕は考えています。

法科大学院に入らなくても、ルールを使いこなす術は学べます。そう、ここ法学部でです。法曹になろうが、公務員になろうが、企業に行こうが全員、ルールを使いこなす術なしには生き残れません。もっと正確に言えば、活躍はできないでしょう。

僕は、ゼミ生の皆さんと新しい法学部の価値を見つけたいと思っています。僕が使うのは医療分野の法律問題ですけど、それはただの一例。どんな問題にも応用できるような頭の使い方を、皆でぜひ学んでみませんか?