三軒家万智さんが部下の白洲美加さんに5分間で売却する物件の説明を求めているシーンがあるのですけど、あれは僕がゼミでやってもらっている「5分間プレゼン」と同じだなぁ、と思いました。5分間話すのは意外に大変ですし、そもそも、5分間の話を一瞬でまとめるキラーワードから入らないと、聞き続けては貰えないでしょう。対象が「これから売却する物件」でも、「就活の際の自分」でも、はたまた「企画書」でも、プレゼンテーションでやるべきことの基本は同じ。『家を売るオンナ』には、プレゼンテーションのヒントがたくさん詰まっています。
法律と関係ないじゃん、って思うかもしれませんけど、本当にそうでしょうか?プレゼンの対象物が客観的に完璧であることはそもそも希ですし(笑)、仮に客観的に完璧だとしても、説明する相手にとってフィットしなければそれは無駄です。完璧でなくても、お客様が満足して買ってくれるかどうかこそ大事、三軒家さんはそれをずっと言い続けていますね。法律の議論も同じですよ。使えそうな法令や法令を解釈した判例があったとして、ぴったりフィットする事案なんて希ですから(笑)。どこが似ていて、どこが似てないけど、結局言いたいことは、この事案を自分にとって有利に扱って貰いたいということ。いくら法律を学び、覚えて、諳んじることができても、相手を納得させられなかったら使い物にならないです。
学生の皆さんには、仮説事例のように過去の有名判例にぴったし当てはまるものだけではなく、目の前にある事案について、関連法令を適用し、自分に有利な状況を作り出せる人間になってほしいと思います。それはすなわち、家を売るオンナならぬ、『法を使いこなせるヒト(オトコ&オンナ)』になるってことです。
今まであまり書いてきませんでしたけど、実際に案件の行く末を決めるヒトが誰で、どんなヒトで、どんな考え方をするのかを事前に調査するのは大事です。直接調べられたら一番ですが、駄目ならそのヒトの書いたものを読んだり、そのヒトの知り合いから聞いたりすることもできます。
あなたも法律について、三軒家万智さんのようにきっとなれます。
プレゼンテーションの能力を磨けば、あなたの就活はもちろん、あなたの人生が大きく変わるかもしれません♪