2016年12月29日木曜日

法学部に入ったらまず何をしますか?→バイトしてみよう

法学部に入ったら何をしますかって聞くと、「法律のお勉強します」っていう学生が多くなっています。「これまではバイトや部活動と勉学の両立を頑張ってきたけど、大学では勉強がしたいんです」って話してくれる学生さん、真面目だなぁって思います。真面目だなぁって思う反面、バイトや部活動に使っていた時間すべてを、法律の勉強に本当に注ぎ込めるのかなとか、結局、大学は楽しいところなので遊ぶことにならないのかな(笑)って感じてしまいます。

ちなみに、法律の勉強ってどうやってしますか?これまで以上に勉強を頑張りますということは、法律の勉強をするのでしょうけど、具体的に何を、どうやって学ぶことを想像しているのでしょう?高校生までと違って、大学では勉強は自分主体で、どんどん進めることができます。先生や他の人の進捗を待たなくてもいいんです!!!司法試験対策の予備校に通って予備試験を受けますか?それとも、自分で講義を聴きながら基本書をたくさん読みますか?大学の試験でダブルAを取るための勉強を独自に続けますか?どれでも何でもいいですけど、「法律を勉強する」ならどうやって勉強するのか、具体的に考えておいたらよいと思います(具体的な内容を何も話せないと言うことは、将来、大学に入ってから考えることになり、考えている時間は勉強できないってこと、ですよね。。。)。

僕は、法学部に入ったら、一度、何でもいいからバイトをしてみたらよいのではないかと思います。バイトをするということは、契約を結んで誰かのために働き、お金を貰うことになります。いろいろと教えて貰って頑張ってみても、ミスすることがあります。ミスしたらどうなるのか、誰がどうやって責任を負うのかなどなど、バイトには法律問題が満載なのです。ちなみに、バイトをしてみると、将来、何をしてお金を貰って生きていきたいのか、もっと具体的に考えることができるようになります。単にお金を稼ぐってどういうことかを理解できるだけでなく、就活で話すエピソードもたくさん得ることができます。苦しかったけど乗り越えたとか、自分の特性とか、強みとか、すべて経験談を元に話すことができるようになります!

法学部に入ったら何をしますかって聞くと、「法律のお勉強します」って言いつつ、でも、「バイトもしようかなと思っています」って話すと、おぉ、法学部に入る学生って感じ。法学は実学でしかなく、そもそも法学部を出ても何も資格は得られません。ロースクールに入る準備をするにしても、社会を知るのは大事ですよ~。


※ちなみに、僕は学生時代、あまりバイトしていなかったので反省しています(_ _)。



『家を売るオンナ』にはプレゼンのヒントがたくさん詰まっている?

三軒家万智さんが部下の白洲美加さんに5分間で売却する物件の説明を求めているシーンがあるのですけど、あれは僕がゼミでやってもらっている「5分間プレゼン」と同じだなぁ、と思いました。5分間話すのは意外に大変ですし、そもそも、5分間の話を一瞬でまとめるキラーワードから入らないと、聞き続けては貰えないでしょう。対象が「これから売却する物件」でも、「就活の際の自分」でも、はたまた「企画書」でも、プレゼンテーションでやるべきことの基本は同じ。『家を売るオンナ』には、プレゼンテーションのヒントがたくさん詰まっています。

法律と関係ないじゃん、って思うかもしれませんけど、本当にそうでしょうか?プレゼンの対象物が客観的に完璧であることはそもそも希ですし(笑)、仮に客観的に完璧だとしても、説明する相手にとってフィットしなければそれは無駄です。完璧でなくても、お客様が満足して買ってくれるかどうかこそ大事、三軒家さんはそれをずっと言い続けていますね。法律の議論も同じですよ。使えそうな法令や法令を解釈した判例があったとして、ぴったりフィットする事案なんて希ですから(笑)。どこが似ていて、どこが似てないけど、結局言いたいことは、この事案を自分にとって有利に扱って貰いたいということ。いくら法律を学び、覚えて、諳んじることができても、相手を納得させられなかったら使い物にならないです。

学生の皆さんには、仮説事例のように過去の有名判例にぴったし当てはまるものだけではなく、目の前にある事案について、関連法令を適用し、自分に有利な状況を作り出せる人間になってほしいと思います。それはすなわち、家を売るオンナならぬ、『法を使いこなせるヒト(オトコ&オンナ)』になるってことです。

今まであまり書いてきませんでしたけど、実際に案件の行く末を決めるヒトが誰で、どんなヒトで、どんな考え方をするのかを事前に調査するのは大事です。直接調べられたら一番ですが、駄目ならそのヒトの書いたものを読んだり、そのヒトの知り合いから聞いたりすることもできます。

あなたも法律について、三軒家万智さんのようにきっとなれます。
プレゼンテーションの能力を磨けば、あなたの就活はもちろん、あなたの人生が大きく変わるかもしれません♪

2016年12月21日水曜日

ゼミにもいろいろある

青学でのゼミは医療と法をテーマにしていて、ある大学で行っているゼミとほぼ同じ内容ですが、4月からやってみて思うのは、結果がまったく違うということです。良くも悪くも違っています。同じように教えているのにどうして違うのか、とても興味深いです。

1つめは、非常勤として教えているところとテニュアを貰って教えているところでは、学生との交流の密度がどうしても違う、ということはありえます。密度が高いとよいかといえば、実際にはそうではないですね(笑)。安心して楽してしまう学生や、学問ではなくイベント的な要素を求める学生が多くなりがちです。もう少し言葉を選んで書くなら、テニュアを貰っているところでは学生のイニシャティブでさまざまな活動を組み込んでいくことができる分、教える内容は限定的になったりもします。

2つめは、就職活動と同じですけど、ゼミにフィットしない学生がどの程度いるか、ということだと思います。志望理由や面接を通じて慎重に選抜しても、結局フィットしない学生はどうしても不可避的に出てきてしまいます。僕のゼミでは、法律を学んで使うことの面白さを追求するので、そもそも、法律を学ぶのが嫌いなヒトには向かないのですけど、難しいものです。仮にぴったりフィットしなくても、居心地のよいゼミにしようとすれば、当初予定していた内容を削って、フィットしない学生に合わせて内容を修正していくことになります。

3つめは、目標の共有ですね。僕は、医療と法を題材にしていますが、ゼミで就職活動や就職後も役に立つような法的な知識を習得することを目標にしています。学生の中には、必ずしも目標を共有して貰えない人もいます。どうしたら共有できるのかは、僕の中でも答えがまだ見つかっていません。特別なインセンティブを与えるものでもないですし、かといってサンクションを課してまで共有しても仕方ないですし(笑)。

ゼミで伝えられることは多くないですし、ゼミの期間は長いようで短いです。
皆さんも、良いゼミをぜひ選んで、楽しい時間にしてくださいね。